白川
キンゴルウィラ村滞在記・2015年3月
更新日:2019年6月13日
田邉裕大さんより
Asante sana. たかだか10日間足らずの私のタンザニアでの滞在を振り返った時、まず初めに頭に浮かぶ言葉です。農村滞在やゲームドライブ、友人宅での生活等、タンザニアのスタンダードな暮らしから贅沢な暮らしまで、てんこ盛りの時間を過ごさせていただきました。観光地を巡るよくある旅行ツアーとの違いを噛みしめながら、その意味を考えながら、存分にタンザニアを感じてきました。
今回訪問させていただいたキンゴルウィラ村での2泊3日の滞在では、マサイの人たちのお話をうかがったり、作物の農場を見せていただいたり、満天の星空に圧倒されたり、子どもたちと遊んだりしていました。印象的だったことを挙げると、全部です。(笑)
具体的にいくつか挙げると、まず、マサイの15歳の少年と話をした時に驚きました。自分よりはるかに歳は若いのに、大の大人と話をしていると錯覚するほどに、自分の考えをしっかり持っていたからです。もっと言えば、それをちゃんと英語という外国語に乗せて、相手に伝えることができていたからです。自分の仕事・役割、今のタンザニアに欠けていること、他の国のことなど、自分の意見を流暢な英語で惜しみなくどんどんぶつけてきてくれました。私の英語はまだまだ未熟なので、どれだけあの少年の伝えたかったことを理解できたかはわかりませんが、まっすぐに話してくれるその姿勢がすごくありがたかったです。と同時に英語という言語の大切さも併せて実感しました。お互いの母国語はまったく違うのに、英語という共通言語があるおかげで理解しあうことができる。もちろん英語を様々な理由で毛嫌いする方もいらっしゃいますが、話せることにはメリットしかないと感じました。
そして村での滞在の半分以上を子どもたちとの遊びに費やした私たちですが、最初は正直、どう接していいかもわかりませんでしたので、恐る恐る子どもたちに近づいていきました。そしてある一人の子にそっと微笑みかけました。するとその子は私の何倍もの笑顔を返してくれ、一気に気持ちが温かくなりました。キラキラした笑顔で遊ぶ子どもたちは本当にかわいく、幸せな気持ちになりました。もちろんタンザニアの教育現場にはそこなりの問題が存在しているはずですし私が見たのはタンザニアの現状のほんの一部の一部ですが、必ずしも日本のように、なにもかもが整ったように見える環境が、皆が目指すべきものではないのではないかなあと、薄々感じました。物体的な何か以外に、今の日本にはないものが、あそこにはあるような気がして、本当に楽しい時間を過ごせました。
この度の様々な学びから感じたことを挙げればまだあるのですが、この振り返りの作業を通じて新たに芽生えた思いがあります。それは、体験や学んだことに対して、自分の観点から感じたことを挙げることは大事なことであるが、しかしそうすることは時に安易で、良くない場合もあると思う。ということです。というより、言葉に表すことができる範囲でのものは、まだまだ突き詰めるべき空間を抱えていると感じます。それよりも私は、私のこの心の中にある、言葉にすることが難しい、しかし何とも言えない温かい気持ち、複雑な想い、心躍る体験それらを、私のつたない日本語に乗せて感想文にすることによって、未来の自分に残すと共に、この感想文を読んでくださっている方がいれば、その方々とも自分の気持ちを共有したいと思っています。
そして最後になりましたが、この度、航空券やその他細かい手配をしてくださったマイチケットのスタッフの方々、現地で私たちのお世話をしてくださったJATAツアーズの方々、どこの誰かもわからぬ私たちを受け入れてくれたキンゴルウィラ村のみなさん、その他出会った全ての縁に感謝します。本当にどうも、ありがとうございました。Asante sana !!
写真も全て田邉さんより