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タンザニアからの手紙 No.39 中学校にまつわるもろもろ-2

金山 麻美(かなやまあさみ)

📷 ルカニ村中学校©辻村英之公立中学校の合格発表は12月19日に行われた。 わたしの知り合いの4人の小学7年生は全員合格したから、よしよし、と思っていたら、 今年度の合格率は50%を満たしていないそうだ。

 12月22日付の新聞MWANANCHIによると、7年生999,070人中合格したのは、493,333人で全体の49.4%だったということだ。昨年は過半数を超していたそうだから、今年の成績はよくなかったということか。  その新聞の記事には、今年は英語の試験の成績が悪かった。ほとんどの公立学校では授業用語がスワヒリ語で、英語の授業はあるけれど、教師の質が低いケースが多い。お金を出して授業用語が英語の学校に行かせている子どもが受かりやすくなっている、とあった。  投書欄には、「この科学技術が必要な時代に、小学7年生で教育を終えてしまう子どもがたくさんいていいのか?!合格者を増やすことが大切だが、不合格の子どもたちにも続けて教育が受けられる手段を考えるべきだ」という意見が載っていた。

 そうかと思うと、MTANZANIAという新聞の12月18日号には、元首相のロワッサが、アルーシャ州、Monduli県のLolkisaleにおいて、そこの公立中学校の合格率があまりに悪いので、親たちを叱咤激励するという記事もあった。結果の悪さは、親たちの怠慢、とくに女の子は、不合格すれば、早く嫁に出せて婚資がもらえるからと言って、子どもたちを合格させないように導いているからだというのだ。

 数字では出ていないが、都市部の合格率が地方よりも高く、都市部と地方の親たちの意識にもかなりの温度差があるということだろう。

   また、公立学校に合格できたからといって、胸をなでおろしてばかりいるわけにもいかない。家から近い学校に割り当てられるとは限らないので、子どもによってはバスを3つも乗り継いで通わねばならないケースもある。また、バス代は学生料金は大人料金の約3分の1のため、日銭を稼がないといけないダラダラと呼ばれる乗合バスでは、生徒たちはバスの車掌の乗車拒否にあうこともよくあるという。

   公立中学は学費は年間Tsh20,000なのだが、新設校であればあるほど、ほかにも納めなければいけないお金があるようだ。  たとえば、ダルエスサラーム郊外にあるできてから3年目の新設校の場合。 ・保険                  Tsh5,000(子どもが怪我などをしたときの学校が対処するためのお金) ・身分証明書               Tsh5,000 ・机といす                Tsh80,000 ・用務員、もしくは、警備員の費用  Tsh5,000 ・校章                  Tsh2,000 ・教材(糊など)             Tsh10,000 ・Tシャツ                 Tsh6,000 ・清掃用具(バケツ、箒、草刈り鎌など)  Tsh10,000

で、授業料以外に合計Tsh123,000を学校が始まる前までに納めないと、入学が許可されないそうだ。(1円=Tsh14くらい。国の定める最低賃金は月額Tsh100,000を切っているという現状)この子どもの親は特に机といすの費用に泣いていた。自分で用意しないと、その子の机いすはないそうだ。子どもが卒業する時にはこの机いすはどうなるんだろう。学校に寄付していくことになるんだろう、きっと。

 しかし、公立といっても特に地方の学校建設は近隣の住民たちが、お金や労力を出し合って建設しているところが多いのだから、都市部の新設校の親たちがある程度の金額を自己負担しなければならないのも、仕方ないところがあるようだ。それだけの国の力がまだ足りないということなのだろう。

 子どもたちの明るい未来を担うのはなかなか容易ではないけれど、それは、親やまわりの大人たちがしっかり肩に乗せていかないと。

                    (2009年2月15日)

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