タンザニアからの手紙 No.48 チーター母子物語
金山 麻美(かなやまあさみ)
10月末のセレンゲティ。草原にたたずむのは、チーターのお母さん。何を探しているのかな。
草の間から小さな頭が見え隠れ。そうか、お母さんは、子どもたちを待っていたんだね。
子どもたちがやってくると、お母さんが先頭になって歩き始めた。
しなやかなお母さんチーターの姿。
チーターのお母さんは、子どもたちがちゃんと自分で狩りができるようになるまで、1年から2年の間、行動をともにするだそうだ。
ときどき振り返って我が子たちが、ちゃんとついてきているかどうかを確認している。 チーターの子どもが生き残れる確率は、けっして高くないそうだ。 特にセレンゲティのように他の大型肉食獣、ライオンやブチハイエナのいるところでは。 もうこの子たちくらい大きくなれば、大丈夫なんじゃない?と思うけど、まだまだ心配なんだね。
何処へ行こうとしているのか。
あれ?まだ来ない子がいるよ。
今度はお母さんが、また振り返る。
何処までもいこう。地平線の向こうまで。
実は、この後、お母さんがイボイノシシをハンティングしようとして、失敗するところを見たんだ…。
この母子、元気にセレンゲティの大地で今も暮らしていますように。
(2012年12月15日)