タンザニアからの手紙 No.49 イカ見た!-スキューバ・ダイビング入門
根本 知世(ねもと ちせ)
PADIのスキューバダイビング、オープンウォーターコースの資格は大体4日間から5日間で取れる。最初の2,3日はプール講習で、ビデオでダイビングのあれこれ(ダイビングの機材のことや緊急時の対処法など)と予習を見た後、プールで実践、という感じである。
ビデオは通常英語だそうだが、「日本人だから」と言って日本語版を出されたのには驚いた。ちなみにダイビングの教科書も日本語版があった。(教科書はクイズに答える時や、最後の日の筆記試験の時のために必要)
この2,3日でたくさんのことを実践した。たとえば呼吸の仕方、ボンベの空気がなくなりそうな時や潜っている最中に機材が外れたときの対処法などだ。
最後の2日間は海でプールで習ったことを実践する。プールでは浅すぎてちゃんとできなかったことも、海でなら可能になる。海ではプールで習わなかったコンパスの使い方も習う。正直言ってプール講習はたんたんとしてつまらなかったが、海は違った。
海に初めて潜るというシチュエーションに不安を掻き立てられなかったというのはうそになるが、水面からゆっくりと海に沈んでいくときに見えた水面下の景色の感動は忘れられない。そして見えた景色にだんだんと近づいていくわくわく感。
まさに目の前にあるカラフルなサンゴ礁と熱帯魚。水族館と違い、なんの制限もなく悠々とありのままの姿で泳ぐ魚たち。そして泳いでいるイカも見た。ダイビングのインストラクターが指を指している先を見るとなにか泳いでいる姿があった。大き目の魚かな、と思ったらなんと足を広げているイカだった。(私の目の悪さも原因の一つだが)今までまな板の上に乗っているイカしか見たことなかったから、生きて泳いでいるイカはかなり形が変わるのだと知って興奮した。(水族館でイカは見かけないしね)潜らない人にはこの感動、楽しさ、新しい発見が分からないのかと思うと少し残念な気もする。
2日間の海講習を終えたら、筆記試験だ。これはチェック式になっているので、教科書が英語だろうが、日本語だろうが関係ない。この試験を無事受かるとダイバーのライセンスがもらえる。正式のものは1か月たたないと届かないので、その間は仮のライセンスだが。しかしPADIであればどこでも仮のライセンスで潜れるのだそうだ。
ダイビングで一番大事なのは息を止めないことなのだが、初心者にとって一番大事なのは焦らないことだと学んだ。人間が本来いる場所でない水の中で不安に駆られても、「息をしているのだから死ぬことはない」と自分に言い聞かせる。そしてゆっくりでいいから、行動する。それにPADIには信頼のおけるインストラクターたちがいる。頼れるベテランで、ちゃんと生徒のことを見てくれている。おかげで私は安全面では安心して講習に励めたのだ。
私はライセンスを取ったばかりの初心者だが、たくさん、いろんな海に潜ってみたいと思っている。地球は海が約70%。きっとまだまだ未知の世界がたくさん広がっているのだろう。
★ダルエスサラームのWhite Sands Hotel & Resort 内のダイビングセンター Sea Breeze Marineにて取得。PADIオープンウォーターコース$460。(ダイビング機材、筆記試験含む)
☆今回は娘の知世が書きました。このお話は金山麻美のブログ「タンザニア徒然草」にも関連記事があります☆
(2013年1月15日)