
白川
タンザニアからの手紙 No.51 グビさんのシク・アロバイニへ
金山 麻美(かなやま あさみ)
10月4日にグビさんのシク・アロバイニ(siku40: 没後40日の供養、日本でいう49日のようなもの)がキンゴルウィラ村で営まれました。ジャタツアーズ・スタッフの後藤さんとともに参加してきました。
☆大勢の人々で準備をする
午後1時ころキンゴルウィラ村のグビさんの家に着くと、もうすでに15人ほどの女性たちが集まって庭の日よけのあるゴザの上で青菜の茎や根っこを取り除く作業を始めていました。近所の人々や親せきの女性たちだそうです。 采配を振るっているグビさんの弟のハミシさんの妻ハディージャさんによると、100人くらいのお客さんを想定しているそうです。彼女をはじめ数名の人々は昨日から準備をしていたとか。だんだんと集まってくるお客さんたちのためにその日の昼食、夕食、翌朝のチャイ、そして昼ご飯まで用意するそうですから、仕事がとてもたくさんあります。
☆徹夜でディキリ
「『シク・アロバイニ』には、何をするの?」ときいたときに「徹夜でディキリをして翌朝お墓参りに行く」と言われました。葬儀のときにはイスラーム式だったので、女性はお墓へ行くことができませんでした。なので、ぜひお墓参りはしたいと思っていました。けれど、「ディキリ」とは?そもそもこの年齢で徹夜はきつい…。
真ん中に立てられたアラーの名前が書いてあるという旗の周りに老若男女が集まります。ムスリムの帽子コフィアを被った年配の男性たちの中には、導師もいるようです。コーランを唱えたりしていました。「グビさんのシク・アロバイニ」という言葉が聞こえ、アラビア語やスワヒリ語で歌が歌われはじめました。「生まれるのも死ぬのも同じこと」などといった歌詞が聞こえてきます。人数は30人くらいでしょうか。旗の周りに円陣になって座っています。ゆったりとした歌が流れてきます。加わるのも自由、加わらないのも自由のようです。ディキリに参加せず、まだ食事を取っていたり、休んでいたり、料理の作業を続けている人たちもいました。
☆青空の下のお墓参り
空模様を心配していたけれど、雲は残っているものの、太陽が顔を出す晴天となっていました。グビさんがお天気にしてくれたのかもしれません。 三々五々お墓へ向かいます。お墓までは歩いて30分くらいの道のりです。干上がってしまった川を超え、焼きレンガの作業場を通り越し、農閑期の荒野のようになっているトウモロコシ畑の間を歩きました。前を行く女性たちの巻いている色とりどりのカンガが風にそよぎ、太陽に光に映えます。
(2013年10月15日)