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タンザニアからの手紙 No.58 ヘンドリックのゴートスキンのシェタニ

金山 麻美(かなやま あさみ)

 耳が大きくひょうきんな雰囲気の独特のシェタニ(精霊)たちの絵でタンザニアだけなく、アフリカ各地や日本や欧米など多くの人々を楽しませたジョージ・リランガ。その孫、ヘンドリック・リランガはその祖父の唯一の跡継ぎを自称して、シェタニをモチーフにした作品作りに日々勤しんでいる。

 ジョージ・リランガはマコンデ彫刻家からスタートして、油絵、水彩、エッチング、バティックなどの作品を当時のダルエスサラームの芸術センターだったニュンバ・ヤ・サナーで制作していった。そこにゴートスキンの作品もあった。

   ゴートスキン、文字通りヤギ皮を使った作品である。ヤギの皮をなめして、白く薄い状態にしたものにインクで絵を描いていくのだ。こういう手法があることは、ジョージ・リランガ存命時に、本人からその作品を見せてもらって初めて知った。キャンバスやボードで作られた作品と違って、光を通すうえに、皮自体の持つ陰影が残るので、シェタニたちの絵の不思議さがますます醸し出されるようだ。独特の存在感。

<自作品を持つヘンドリック>

 ヘンドリックによるとエチオピア起源のやり方だそうだ。(ネットで調べてみたら、12から13世紀に作られたというエチオピアのラリベラの岩窟教会群の中にはヤギ皮で作られた聖書が残っているということだった)  その手法で作った作品をニュンバ・ヤ・サナーの関係者がナイロビで見かけ、タンザニアに持ち帰り、ジョージ・リランガも作るようになったというのがヘンドリックの言。

 そして、ヘンドリックもそれを受け継いで、自分でヤギ皮をなめし、作品を作っている。このやり方を知っている人は少ないんだよって自慢してた彼の作品をご紹介。それぞれちょっと長めのタイトル(お話)つき。

 女たちは仲間の女が自分たちのように仕事したがらない!と言っている。  WANAWAKE WANAMSEMA MWANAMKE MWENZAO HAPENDI KUFANYA KAZI KAMA WAO!

 水不足はいつものことになっちゃったから、もう文句も出ないよと女たち。  SHIDA YA MAJI KWA SASA WANAWAKE WAMEIZOEA HAWALALAMIKI TENA

 日々の生活を楽しんで、いろんなことをおしゃべり。  WATU WANA FURAHA YA MAISHA NA WANAONGEA MAMBO YAO.

 三つ子頭とその親戚の眼鏡おじさん。  MAPACHA WA VICHWA NA NDUGU YAKE BWANA MIWANI

   ゴートスキンの中のシェタニの世界にも喜怒哀楽あり。

                                                           (2015年10月15日)

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