タンザニアからの手紙 No.62 キンゴルウィラ村ではバナナ売りじゃなくてもバナナと言う?
金山 麻美(かなやま あさみ)
あけましておめでとうございます。
11月末にキンゴルウィラ村へ行ったときのことです。 キンゴルウィラ村のウルグル山をバックにした幹線道路近くに常設の野菜市場があります。 イモ類、菜っ葉類、真っ赤なトマト、果物たちなど、市場はカラフルでにぎやかです。
ちょうどパイナップルやマンゴーのシーズンなので、それを買って、泊まっているグビ家に持ち帰ろうと思いました。ついでに色とりどりの市場や、市場で働く人々の写真も撮らせてもらおうかなっと。
小さめだったけど、おいしそうなパイナップルが1,500シリングでした。ダルエスサラームだと2,500シリングはしそうです。お店のお姉さんに写真を撮らせてねと断って、この前、ダルエスサラームで何かの記念撮影の時に、日本だったら「チーズ」などと言うところ、「チャパティ」と言ってたなと思いだしたので、「『チャパティ』と言ってみてくれる?」と所望してみました(うるさいカメラおばさんねえ)。素直でよい方のようで「チャパティ」と言ってくれ、ちょっと笑顔になったものの、まだ表情は硬めです。
近くに座っていた別の女性が「『チャパティ』じゃなくて『ンディジ(=バナナ)』のほうがいいんじゃない?」とアドバイスしてくれたので、「ンディジ」と言ってもらってもう一枚。あ、さっきより軽やかな笑顔になっりましたよ。いい感じ。ありがとう!
隣の売り場でには、おいしそうなマンゴーが並んでました。そこには、ティーンエージャーと思しき女の子が二人と、青年が一人、店番してました。一つ500シリングのを4つ買って、また写真を撮らせてもらおう思いました。 「『ンディジ』と言ってね」と頼んで、3人が「ンディジ」と言ったところをパシャリ。
「ありがとう。写真ができたら届けるね」と言って去ろうとしたら、青年が 「おれたち、ンディジ売ってるわけじゃないのに、なんで、ンディジって言わなきゃならないんだ…」 とぼそぼそ独り言のようにつぶやいてたのを耳にして、そのぼそぼそさ加減がツボにはまって、グビ家への帰り道はずっとくすくす笑ってました。あやしい東洋人と思われたかも?
そんなキンゴルウィラ村へきてみませんか?
今年もどうぞよろしくお願いします。
(2017年1月1日)