
白川
タンザニアからの手紙 No.7 Dogodogo Centre
金山 麻美(かなやまあさみ)
正式には、Dogodogo Centre Street Children Trust という。1992年に設立され、1993年にタンザニア政府にNGO登録され、正式にスタートしたそうだ。 街中にDrop Inn という2階建てのアパートのような家があり、そこに男の子ばかり60人ほどが生活している。7歳から17歳までのストリートチルドレンをやめたばかりの子供たちがいるところだそうだ。なぜ男の子ばかりかというと、ストリートチルドレンになるのはそもそも男の子が多いということと、(路上生活もできない女の子はもっと大変ということか)男の子と女の子を一緒に生活させるといろいろ問題が起きる可能性があるからだそうだ。勉強部屋、食事部屋、保健室、職員用のオフィスなどの部屋に分かれている。 プログラムマネージャーのマノリさんによると、ここの子供たちは路上生活をしている時に大人にDogodogo Centreに連れてこられたケースもあるそうだが、ほとんどの子供たちは自分からやってきたということだ。それだけストリートチルドレンの間で、Dogodogo Centreはよく知られているらしい。
Drop Inn の子供たちが寝る部屋は、バスケットコートひとつ分くらいの広さだが、ベッドがない。床にゴザなどを敷いてここに60人の子供たちが寝るそうだ。なぜベッドを置かないかというと、あまり居心地を良くしないためらしい。 実は、Dogodogo Centre は、Kigogoという場所にも家を持っていて、Drop Inn で生活態度の良くなった子や、勉強などのやる気の出てきた子をそこに移すということだった。年長の子が移されるケースが多いそうだが。
ストリートチルドレンになる子供たちは、親のいない子供もいるが、親がいても家庭の問題で飛び出してくる子もいる。Dogodogo Centreでは、学校の長い休みの時には親のいない子も親戚などを頼るなどして、なるべくその子の出身地に帰すようにしているそうだ。将来職を身に付けたときに都会に残るよりも自分の血縁や地縁のあるところで助け合いながら暮らしていったほうがいいという考えからだそうだ。 また、Dogodogo Centreにいる子供でも、親もとや親戚と連絡を取り、センターの人がそこで子供が暮らせそうだと判断し、子供側が了承した場合は帰すようにもしているそうだ。
放課後の活動は、TCC(タンザニアタバコ会社)が提供するTCCの施設でやっている。 Kigogoから車で15分くらいのChagombeという場所にあるのだが、テニスコート、バスケットボールコート、サッカー場などもあり、広々としていてとても気持ちのいいところだった。1階が吹き抜けのレストランバーになっている建物の2、3階に小さめの教室のような部屋がいくつかあり、TCCがDogodogo Centreに無料でかしてくれているということだった。その上、美術や音楽の先生たちの交通費や、子供たちの移動のバスの運転手代やガソリン代なども出し、活動に参加した子供たちには毎回ソーダ1本ずつ配られるのだそうだ。やるじゃないかTCC。
このほかにも小学校卒業後、中学に入学した子供たちの住む家や職業訓練学校併設の施設などもあるそうだ。がんばっているDogodogo Centreである。 放課後クラスでの子供たちの表情はとても生き生きとしていて、作り出す音や物もすごく楽しそうで、疲れ気味だった私のこころまでホップステップジャンプしてしまった。子供たちが元気だととてもうれしい。 (一部敬称略)
(9月1日)