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タンザニア歳時記・No.8サバサバ-Dar es Salaam International Trade Fair ―

金山 麻美(かなやまあさみ)

 *サバサバ*

   7月7日は何の日でしょう。日本では、七夕ですね。タンザニアでもこの日は、特別の日です。サバサバ(スワヒリ語で7を二回繰り返しただけだが)といって祝日なのです。以前は、農民の日と言われたこともありましたが、数年前に8月8日が祝日、それも農民の日となって以来、7月7日は、国際見本市の日となっています。

 ダルエスサラーム国際見本市は、今年は27回目を迎えるそうですが、毎年、7月7日をはさんだ約10日間ほど、クラシーニという地区にある見本市会場で行われます。ですので、この見本市、通称サバサバと呼ばれています。

 資料によると第1回のサバサバは、参加者が100件のみだったけれど、今年は1,400もの展示(会場の内の建物の数は90くらいなので、細かい展示も数えて…ということでしょう)と28もの国々が参加しているということです。わたしが、タンザニアに住み始めたのは1989年の7月で、来てすぐにサバサバ会場へ行った覚えがあります。娯楽の少ないこの国で、色とりどりの展示物が並ぶこの催しは人気があるのですが、当時はそれよりも、いつもより鍋やバケツなどの日用品が安く買えるということで、にぎわっていたように覚えています。当時を思い起こすと大小重なり合ったいくつものスフリヤ(鍋)を意気揚揚と運んでいるタンザニアのおばちゃんたちの姿が浮かんできたりします。  

当時に比べると格段と物が豊富になってきたこのごろでも、買出し目的のおばちゃんたちもいないことはないようですが、入場料が1,000シリング取られるので、余りうまみが無いということでしょうか。

    インド、ケニヤ、中国、イランなどのいろいろな国や、タンザニアの企業や省庁などのパビリオンが並び、賑やかに呼び込みをしています。ピエロの格好や、タンザニア風ダンス衣装や、はたまたスピーカーでやたらがなりたてるという輩もいて、もりあがります。日本も折り紙の展示などで参加した年もあったのですが、今年はお休みでした。  一歩パビリオンの中に入ると、それぞれの国の民芸品や、商品、観光などの宣伝が繰り広げられます。ひよこやぶくぶくに太らされたような鶏も展示されているコーナーでは、(もちろん生きてる。ひよこは売ってる)、子供たちがかぶりつきで見ていました。

*タンザニアの動物園*

  中でも一番人気は、なんといっても特設動物園。実は、今回、わたしにとって4、5年ぶりのサバサバでした。当時は動物園と言っても、狭い所にせいぜいダチョウがいるくらいで、余りたいしたことは無かったので、期待していなかったのですが…。ところがどっこい、今年のは、野球場ぐらいの広さの中に、ダチョウはもちろん、フラミンゴ、ヒヒ、ハイエナ、シマウマ、ディクディク、禿げ鷹、わに、へび、ヒョウ、ライオンなどの檻がてんてんと並ぶというすごいラインナップ。

 動物王国?タンザニアに住んでいても、国立公園で生の動物を見たことのあるタンザニア人は少数なので、(国立公園に行くまでが大変だし、お金がかかるし、車も必要だし…)興味津々で見ている人々の多いことよ。わたしは、実は動物園は不自然なので好きではないんですが、ここの動物園には好感を持てました。タンザニアの人々に少しでも動物たちを身近に感じてもらえたら、よりよい方向に進んでいきそうな気がするし。

 タンザニア観光局が主催しているこの動物園では、係員が各所にいて、見学者の質問に丁寧に答えているのでした。「ライオンはどのくらい肉を食うんだね?」とか、「このヒョウは吼えないのか」(昼寝中でした)「フラミンゴはなぜピンクなの」「トラはいないのか」とか…。

 ライオンなどの檻の前には柵があり、その柵ごしに檻を覗き込むのですが、面白かったのは、係員が「檻の前で写真を取るかい?」と、カメラを持っている人たちに呼びかけ、檻のすぐ前まで入れてくれるのです。そして檻越しに、ライオンとのツーショットを撮らしてくれるわけ。おっかなびっくり入っていって、オスライオンがちょっとでも動くと大の大人でも、ぎゃってな感じで体も笑顔もこわばったりするのだけど、これも結構人気で、次々に希望者が、柵の中に入っていってました。

 動物の檻の前でにぎわっている大人たちを見て、もっとタンザニアの人たちが国立公園などに気軽に動物を見に行けるようになるといいのに…と思いました。こないだ行ったアルーシャナショナルパークなどでは、アルーシャの小学生たちが大型バスに乗って、動物見に来てたりしたので、その路線で、広がっていけば…。  見本市が終わった後、この動物たちはムワンザにあるサーナネ島(島自体が動物園という)に戻されるそうです。

 今年のサバサバは、7月9日に幕を閉じました。また来年!

(2003年7月15日)

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