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  • 執筆者の写真白川

タンザニア Mbali Mbali 第5回 「民族ダンス」

松野下千寿(まつのした ちず)


 タンザニアの田舎の村々では、今でも、一年の行事の折々に伝統的な民族ダンスが踊られます。それはその年の農作物の収穫を祝う収穫祭の時であったり、大人への通過儀礼として若者に施される割礼の時のお祝いの場であったり、結婚式であったりします。これらの行事の参加者は大抵それぞれのコミュニティーに属する人に限られるので、どこでどのような踊りが見られるかについてはあまりおおっぴらに宣伝されることはなく、そのため部外者が参加できることは非常に難しくなっています。また、都会のダルエスサラームでは、そのような本格的なダンスを見ることはさらに難しくなっています。

それでも、「でも,ちょっと見てみたーい」という観光客のために民族ダンスショーを開いているのが、ダルエスサラーム民俗博物館。民俗博物館はタンザニアの様々な地域の家屋を、それぞれの地域の様式をもとにそのまま復元したものを屋外に展示している博物館で、竹を利用して建てられたイリンガ地方の家屋、床から天井までの高さが低く建てられているドドマの家屋、全部藁葺きのドームの形をしたモシの家屋などが、敷地内に点在しています。それらの家屋を背景に、マンゴーの大木の木陰でダンスを鑑賞していると、まるで自分が本当に田舎の村に滞在していて、踊りを見せてもらっているような、そんな感覚にとらわれ、ダルエスにいるということをふーっと忘れます。

今回は、そんな民俗博物館のショーの様子をご紹介します。

写真1(太鼓準備) 公演前に太鼓の皮を火にかざして乾かし、調音している様子。太鼓はスワヒリ語 でNgoma(ンゴマ)と呼ばれますが、その大きさ、演奏の中での役割によって全部名前が違うらしい。

どこからともなく、演奏者が、踊り子達が集まってきて、準備すること約30分、いよいよ演奏がはじまります。

写真2(Semingo Dancing Group) まだ見習の若者ダンサーがまず余興の前座を。すこし周りを気にしながら踊っているところがまだまだ。でもほほえましい。

写真3(若者:Jakamoyo Dancing Group) もともとダルエスサラーム付近に住んでいたザラモ人の踊りのグループ。 これはルショトの結婚式の時の踊りで、母親に対する感謝の歌を歌っているとのことでした。

写真4と5(Kusini Dancing Group) タンザニア南部、マサシ出身のマクア人の踊りのグループ。タンザニア南部の踊りは、北や西部のそれとは違っていて興味深い。音楽や踊りの激しさが他のものより激しいし、ほかではあまり見られない仮面や竹馬を使って仮装したりする。私が見に行った時は、仮装組が2組と老年のママ達の踊りをやっていました。老年のママ達と馬鹿にすることなかれ、元気だけが取り得の若者の踊りとは違って、ひとつひとつの動きに味があり、素晴らしいのです。70歳のおばあちゃんも元気に腰を振っています!

写真6(パーカッション) 太鼓(ンゴマ)、木琴(マリンバ)、マラカス(マニャンガ)などが楽器として使われていました。ドドマの方ではゼゼと呼ばれる弦楽器も使われますが、今回のショーでは見当たりませんでした。奥のほうに鉄製の壊れたブルーの椅子が見えますが、彼らの手にかかればそんなものまで楽器になってしまうのです!

ダルエスサラーム民族博物館:ダルエスサラーム中心街のポストオフィス前バス停からMwenge(ムウェンゲ)行きのダラダラに乗り約30分、Makumbusho(マクンブッショ=スワヒリ語で「博物館」の意味)下車すぐ。民族ダンスのショーは毎日午後2時~午後4時まで。日曜日のみ、4グループすべてのショーがあるが、それ以外の曜日は1日1グループが公演する。

※タンザニア Mbali Mbaliは、スワヒリ語で「いろいろなタンザニア」という意味です。このコーナーでは、タンザニアのちょっとしたスポット、風景やイベントなどを取り上げてご紹介しようと思います。


2003年4月

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