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  • 執筆者の写真白川

ルカニ村滞在記・2011年8月

浜野 宜子さんより

 ルカニ村は寒いですよ、と聞いてはいたが実際に行ってみると本当に寒かった。日中は日本の夏と同じくらい暑いのに、朝晩になると一気に気温が下がり、冬の気候になった。さすが標高1,500メートル、と勝手に納得する私。

 ルカニ村に入って、、まず最初に目が向かったのはバナナであった。道の両脇に連なるバナナの木、アレックスさんの家にもバナナがあった。一体コーヒーの木はどこにあるのだろうと探していたら、そのバナナの下に赤い実を付けた木がちらほら。生まれて初めてコーヒーの木を生で見た瞬間だった。この日本ではお目にかかれない光景を目の当たりにして、タンザニアに来て良かったと大満足。ただ、この時は初めてづくしで気が高ぶっていたため、まさか明日からいろんな意味で過酷な日が続くとは思ってもみなかった。

 次の日からルカニ村見学が始まった。アレックスさんにちょっとそこまで行くからといわれてついて行ったら30分のハイキング。しかし、日ごろ山登りに親しんでいなかった私には登山としか思えなかった。アレックスさんの目的地はどこも素晴らしかった。ルカニ村の小学校や中学校、コーヒーの集積所といった村の重要な場所を案内してくれたのだ。だけどやはり、歩く道のりが険しい。マラソン選手が良く行う高山トレーニングをしている気分だった。  ちょっとそこまでが30分以上というのは、アレックスさんだけに限ったことではなく、デイケアセンターで先生をしている19歳の女の子に村を案内してもらった時も、キマロ先生に案内して頂いたときもそうだった。すぐ近くだから、と言われてついていったらアップダウンの激しい道を下って登って下って。しかも昼間の太陽の照りつけるような暑さ。よく体力がもったなと今更ながら思う。それほどの運動量だったのだ。

 私を苦しめたのは、連日の登山だけではなかった。ダルエスサラームと比べて、緑豊かな村だなと感じたルカニ村での食事は毎日野菜テンコ盛りであった。タンザニアに来てから、あまり野菜を食す機会がなかったため、野菜の充実したご飯は非常にうれしかった。だが、ある一つの食材が延々と私を苦しめたのであった。

 私は、肉と魚が最も好きだがもちろん野菜も好きである。ただ、あまり好んで食べようとしない野菜はある。そのうちの一つがグリーンピースだ。豆はグリーンピース以外なら喜んで食べる。しかし、グリーンピースだけはどうしても駄目なのだ。少しの量なら食べられるが、大量に食べるとなると気持ちが悪くなる。このグリーピースがお米の上にドンッと乗っかって、ご飯のお供風に登場 してきたときは血の気が引いた。ご飯は残さず食べましょう、そう教えられて育ってきた私はあまり好んで食べないものには最初から手をつけない。ただ、今回はもう最初から盛られていた。しかも滞在初日の晩飯、避けては通れない道だった。食べるしか選択の余地はなかった。

 ルカニ村での一日は本当に楽しく、初めての連続だった。小型のトラックの荷台に乗って市場まで行ったり、中学生約300人の前でソーラン節を踊ったり、アボカドの木を見たり、日本の二倍くらいあるアボカドを食べたり、バナナ料理を食べたり、、、。毎日停電でランプと懐中電灯の生活だったが全く苦ではなかった。おかげで、就寝時間が早くなり早寝早起きが実現でき、さらに野菜中心の料理のおかげで健康的な身体にもなった。天候にも恵まれたおかげでかのキリマンジャロ山を毎日見ることもできた。今回本当にタンザニアに、ルカニ村に来て良かった。日本に帰国して1週間たった今、またルカニ村に戻りたいとも思っている。しかし、今度はあらかじめ足腰を鍛えて、ゲリーンピースも克服してから 帰りたいと思う。

(写真も浜野宜子さん) 

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