白川
ルカ二村を訪ねて・2009年
織田 雪江さんより(3枚の写真も)
そして、それまでPrimary Schoolしかなかった村にあって、建設中のSecondary Schoolで生徒が学習している様子は、教育環境の前進を感じるのに十分だった。この建設にはフェアトレードによって生み出された資金も一部使われている。それでも聞き取りを始めてみると、Secondary School の300人余りの生徒に対して資格のある教員が校長先生ひとりだけで、残りは大学受験を控えた学生と教育実習生だったり、Primary Schoolと同様に教科書は10人に1冊の割合で貸与されていたり、1年に2000円程度の授業料を払えずに学校をやめる生徒が複数いるなどの現実を知ることとなった。少しずつ教育環境が改善されてきたからこそ、私たちの目にも問題点が見えるようになったといえるかもしれない。
ツアーに同行してくれたルカ二村出身のアレックスさんには本当にお世話になった。アレックスさんの家に滞在し始めると、いろんな人が入れ替り立ち替りやってきて、にわとりやとうもろこしや塩など差し入れてくれた。アレックスさんの手料理に加えて隣の家のママロージーも、絞りたての熱々のミルクとお湯、とうもろこしやチャパティ、バナナなどでつくった伝統的な食事を運んでくれた。温かくておいしい食べ物は、すごく幸せな気持ちにしてくれる。食事をゆっくり楽しんだあとは、毎回アレックスさんを囲んでたくさんのお話をするなど、村の生活はいつも時間がとってもゆっくり流れていた。まるで以前から知り合いだったみたいに、村の人たちに受け入れてもらえたのは、JATAツアーが積み重ねてきたもののおかげだろうと改めて感謝している。