top of page
  • 執筆者の写真白川

ルカ二村を訪ねて・2009年

織田 雪江さんより(3枚の写真も)

お水を運んでいるところ フェアトレードに関心を持って以来、ずっと訪ねてみたかったルカニ村に入っての第一印象は、掃き整えられた赤土の道と、鮮やかなピンクのブーゲンビリアが混じる生垣も美しく、「なんて豊かな農村なんだろう。」というものだった。それまで、雨季だというのに乾いたエチオピアの村を歩いてきたせいもあったかもしれない。ルカ二村のそれぞれの農家の裏手には畑があり、畑を観察すると、辻村先生の著書にあった通り、コーヒーは果樹やバナナが日陰となるシェードツリーの下で、イモ類や豆など他の植物とともに育てられている。そして植物の根元には各家庭で育てている牛の堆肥がたっぷりと盛られていて、確かに環境保全にも優れた畑であることがわかった。水源をたどって森の中を歩くツアーでも、森の木々の緑や水利システムに、ルカ二村の自然や知恵の豊かさを実感した。

 そして、それまでPrimary Schoolしかなかった村にあって、建設中のSecondary Schoolで生徒が学習している様子は、教育環境の前進を感じるのに十分だった。この建設にはフェアトレードによって生み出された資金も一部使われている。それでも聞き取りを始めてみると、Secondary School の300人余りの生徒に対して資格のある教員が校長先生ひとりだけで、残りは大学受験を控えた学生と教育実習生だったり、Primary Schoolと同様に教科書は10人に1冊の割合で貸与されていたり、1年に2000円程度の授業料を払えずに学校をやめる生徒が複数いるなどの現実を知ることとなった。少しずつ教育環境が改善されてきたからこそ、私たちの目にも問題点が見えるようになったといえるかもしれない。

建設中のSecondary Schoolで勉強中 今回の訪問で、ルカニ村診療所やルカニ村図書館など、フェアトレードの成果とその後の運用の状態を確認することができた。そして様々な社会施設やその運用が、フェアトレードプレミアムに頼るだけでなく、自分たち自身で開発を進めるための組織も複数あって試行錯誤を続けているところに、いろんな可能性のある村なんだなあと感じた。

 ツアーに同行してくれたルカ二村出身のアレックスさんには本当にお世話になった。アレックスさんの家に滞在し始めると、いろんな人が入れ替り立ち替りやってきて、にわとりやとうもろこしや塩など差し入れてくれた。アレックスさんの手料理に加えて隣の家のママロージーも、絞りたての熱々のミルクとお湯、とうもろこしやチャパティ、バナナなどでつくった伝統的な食事を運んでくれた。温かくておいしい食べ物は、すごく幸せな気持ちにしてくれる。食事をゆっくり楽しんだあとは、毎回アレックスさんを囲んでたくさんのお話をするなど、村の生活はいつも時間がとってもゆっくり流れていた。まるで以前から知り合いだったみたいに、村の人たちに受け入れてもらえたのは、JATAツアーが積み重ねてきたもののおかげだろうと改めて感謝している。

家畜に食べさせる草を運んでいるところ

閲覧数:68回0件のコメント
記事: Blog2_Post
bottom of page