白川
Bwaga Moyo No.1 ご飯がおいしく感じられるのは、私たちがちゃ~んと幸せな証拠
川田真弓(かわた まゆみ)
2007年8月 ドドマ州ブギリ村にて
村には大きなお店がないので、歩いて1時間ほど離れた小さな市場に行き、お肉、キャベツ、卵をそれぞれのお店で購入。お肉は大きな固まりがぶら下げてあり、必要な量だけ切ってくれる。何とも大胆。キャベツは村で収穫した新鮮なものを買い、卵は鶏を目の前にして頂戴する。家へ帰る途中、村を歩いていると人に出会う度に長~い挨拶が始まる。「こんにちは」だけでは終らない。家族は元気かどうか、仕事は順調かなど話し出したら止まらない。お昼にはお好み焼きを作り終えて一緒に食べようと思っていたけれど、買い物を終えて家に戻ったのは14時を過ぎていた。
しかし、食材の下準備よりも焼く方がもっと難しい。ガスが無いので炭を使うが、火の調節が難しく、ベチャベチャになったり焦げてしまう。とにかく暗いので焼き具合がどうなっているのすら分からない。さらに、台所に煙が蔓延し目が痛くて開けられない状態に。もうお好み焼きがどうなっているのか全く分からず、ひっくり返す器具がないので鍋を掴んでやけどし、子どもたちは珍しい料理に興味津々でつまみ食いをするので焼いても焼いても減っていくばかり。あまりにもトラブルが続出したので疲れきってしまい「もうお好み焼きなんて二度と作るか!」と叫びたくなった。夜の10時を過ぎてようやく完成したのは、黒色スクランブルエッグ風のお好み焼き。日本から調達したソースとマヨネーズ、鰹節、青海苔を塗して何とかごまかしたが味は・・・
私はゴゴ語がほとんど話せないので何を話しているのかは分からなかったが、みんな会話中に本当によく笑う。顔だけで笑いを表現するのではなく、身体全体を使って笑い転げる。会話の内容が分からなくてもその雰囲気に飲み込まれて私も自然に笑ってしまう。お好み焼きは今までで最低のできだったけれど、みんなで食べると本当においしいかった。どんな豪華な食事を独りで食べるよりも、大切な人たちと一緒に食べるご飯が一番。今度ブギリ村を訪問する時は、もっと腕を上げておいしい料理を振舞いたいなと思う。またこりずにお好み焼きにするか、別の料理にするかはただ今検討中◎
(2009年6月15日)
*「Bwaga Moyo」とは、スワヒリ語で「ここに我が思いを残す」という意味です。 2005年に初めてタンザニアを訪れてからずっとこの地に思いを残してきました。 なぜこんなにも惹かれるのか… その理由を少しずつ紹介したいと思います。