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Habari za Dar es Salaam No.33 "Uchaguzi Mkuu 2005"― 2005年 総選挙 

根本 利通(ねもととしみち)

 新年、明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。  2005年が世界の人々にとって平和な年となりますように。

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 さて、2005年はタンザニアのとっては5年に一度の総選挙の年。去年から前哨戦は戦われているが、いよいよ本番である。ムカパ大統領は憲法の規定で三選を禁止されているから、新しい大統領が選ばれることになる。

 2004年10月から選挙人登録が始まった。日本の経験では、住民票に登録してあれば(日本国籍であればという限定はあるが)、選挙投票券(正確な名前は忘れた)が送られてくるが、タンザニアでは住民票なんてないから、自分が選挙区の事務所に行って、住人であることを証明し、選挙人登録をしないといけない。これが結構面倒くさいし、皆嫌がるからなかなか登録しない。

 自分の周りの人々に訊いても「登録した」という人は誰もいなかった。選挙は未だ10ヶ月も先だから「そのうち」と言う人が多いが、また「登録する気もない」という人も結構いた。実は10月からの選挙人登録は11月に行われた地方政府選挙(州とか県とかよりはもっと小さい地区の単位の選挙のためだったのだが、ここでも野党支持者との間に揉め事があり、ダルエスサラームとザンジバルでは1名ずつ死者が出た。ダルエスサラームではそのため1週間選挙が遅れた。ザンジバルでは誰を選挙登録させるかで毎回揉める。ダルエスサラームで私が訊いた人たちは「CUF(最有力野党)が怖い」という言い方をしていた。これは結構微妙な問題なので、突っ込んで訊くわけにも行かず、また本当のことを言っているとは限らない。親しい人に個別に訊いてこれだから、調査をするのは難しいと感じた。一方ザンジバルでは登録率が80%を超えるというがどういう状況なのだろう?

 日本の投票率が低いと最近話題になるが、「世界の民主主義大国」でも同じようなものだろう。登録者数を出来るだけ減らすよう、なされた不在者投票を開票しないようにするとか、機械投票でミスを増やすとか、ありとあらゆる努力で投票率を下げようとする。これは2000年のフロリダ州だけでなく、2004年でも似たようなことが行われたらしい。低い投票率に支えられた民主主義とは何なのか?そもそも「大衆皆が参加するのが民主主義だ」と思い込んでいたのが間違いなのではないか?民主主義というシステムは20世紀の支配構造を支えたが、これは21世紀にはもう賞味期限が切れているのではないか?という疑惑が起こってくる。「民主主義大国」が「元テロリズム支援国家」とレッテルを貼った国に「民主主義の選挙」を押し付けようとしている。嘘で塗り固めた戦争の結果…

 さて、2004年モザンビーク、ボツワナ、南ア、ナミビア、カメルーン、チュニジアなどで総選挙が行われ、大統領の交替はあったが、政権党の交替はなかった。果たして、アフリカで「民主主義」による政権交替はあるのか?タンザニアの2005年もそういう意味では期待薄である。でもそれはタンザニアの民衆が政治的に目覚めていない、鈍感なのかということにはならないと思う。「口先パフォーマンス」の首相が続投し続ける民主国家もあるのだから、やはり民主主義のシステムの問題なのではないだろうか?

 タンザニアの総選挙を追っていきたいと思う。 


(2005年1月1日)

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