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  • 執筆者の写真白川

Harufu ya Karafuu 第1回 コミュニケーション

森田さやか

タンザニアにはMwarobainiという名前の木がある。スワヒリ語でarobainiとは数字の40という意味があり、この木には40種類もの病気を治す力があるという所以でこの名前が付けられたのだそうだ。この木は約15年前(*)にインドからやってきて、マラリアさえも治すことができると言われている。私は日本で大学の先生からこの木の話を聞いて、名前の由来がおもしろいなぁと感心していた。その木を実際に見た時は「これがあの木か!!」とても嬉しかった。

 言葉はおもしろい。特に人と話をする時はそのおもしろさは激増する。今まで何年も日本人と接してきているジャタツアーズの同僚達や、会社の近所の人達は驚くほどたくさんの日本語を知っている。道で会う人々もあいさつぐらいなら知っている人がたくさんいる。私がスワヒリ語を話すとこちらの人が喜んでくれるように、私も彼らが日本語で話しかけてくれるととても嬉しい。

   ジャタツアーズオフィスの真向かいにある私が毎日通う軽食もある雑貨屋の人達は一生懸命に日本語を覚えようとしてくれる。毎日新しい言葉を覚えようと私に質問してくるのだ。そうなると私も嬉しくて、一生懸命つたないスワヒリ語で言葉の説明をしたりする。その会話自体がおもしろい。  彼らは私に日本語の質問をするだけでなく、私にスワヒリ語を教えてくれる。ダルエスサラームの若者言葉や、スワヒリ語のスラング、「辞書や教科書には載ってないだろ?」と得意気に教えてくれるのだ。向かいの店のケヴィンは、一見チャラチャラしているような典型的な若者であるが、スワヒリ語を教える時になるととても厳しい先生になる。私の些細な文法の間違いも必ず指摘してくれる。それに私も必死で応える。本当にスワヒリ語の勉強になるし、なによりタンザニア人と会話をすることこそがおもしろいのだ。

 外国人がスワヒリ語を話して嬉しいのはダルエスサラームの警官も同じなようだ。ある日曜日、私はそうとも知らずに一方通行の道を反対側から堂々と走っていた。そして捕まった。その警官は英語で激しく怒っている。「危ないじゃないか!ここは一方通行だぞ!!車を警察署まで持っていって、明日罰金と一緒に来い!!」。(大変だ!明日は仕事があるのにここで車を渡すわけにはいかない!)そう思った私は、それまで話していた英語をスワヒリ語に切り替えた。「ごめんなさい。本当にここが一方通行だって知らなかったのです。許して下さい。」するとその警官の表情は変わり、「お前スワヒリ語を知っているのか?タンザニアにどれくらい住んでいるんだ?驚いたなぁ」………、しばらく彼と話をした後、私は大事な車と共に解放された。

 もちろんお互いの言葉を知らない場合でも、理解し合うこともできる。しかし、言葉を使って話をできることはとてもおもしろく、素晴らしい。母語以外を勉強する楽しさをタンザニアに来て、改めて感じている。

                          (2007年6月15日)

  *第一次大戦の時に、既に治療に使われていたという説もある。 ☆Harufu ya Karafuu(クローブの香り)は、とてもいい香りで多くのタンザニア人は好きだとか…。 森田さやかがタンザニアの良い部分、ステキな部分を書いていきます。

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