
白川
Harufu ya Karafuu 第6回 タンザニアでの驚き
森田さやか
来てすぐのころに驚いたのがあくびの話。タンザニアでは、あくびをすると「お腹空いたの?」と聞かれる。彼らは、あくびはお腹が空いたときに出るものだと思っているらしい。あくびとは眠たい時に出るものだと、当たり前のように思っていた私はひどく驚いたのを覚えている。しかし最近お腹が空いたときにあくびが出ているような気がする。人間は思い込みでそう動いてしまうのだろうか。それとも脳みそがタンザニア化しているのだろうか。
例えば、停電で信号機が機能しない時の交差点はひどい。各個人が我先にと進めるところまで進んでしまうので、結局みんなが立ち往生をしてしまい渋滞を起こしてしまう。渋滞になると反対車線まではみ出して行けるところまで走り、限界がきたらこちらの車線へ割り込んでこようとしてくる人がたくさんいる。私は、そんな風に自分だけ得をしようとずるいことをする人には譲ってあげないと心の中で決意している。せめて入れて欲しいとお願いしてくれれば考えてあげてもいい。ところが、そんなときでもおもしろい のがタンザニア人。隣で窓を開けて何か話している。仕方がないので窓を開けて話を聞いてみると、入れてくれよ~と言ってくる。私はそこで偉そうに説教をする。「そんなずるばっかりしてたら入れてあげない。あなたみたいな人が余計に渋滞をひどくしてるん
こんなにドライバー達が荒い運転をしている中で、人びとは車を恐れない。車のぎりぎりを横切っていったりする。運転しているこちらはひやっとする。夜などは特に相手がよく見えないので慎重に運転しなければならない。タンザニア人は自分達のことを「タンザニア人は、雨は恐れるけれど車は恐れない」と言っている。もうちょっと車も恐れてくれたらいいのにな…。
先日、今回の記事で何を書こうか車の中で考えていた時、人がものを奪われる瞬間を見てしまった。私の前の車を運転していた女性が、男に携帯をもぎ取られてしまったのだ。男はさりげなく車に寄り添っていったので知り合いなのだと思ったのだが、ぐいぐいと携帯をひっぱり、最後には奪って何知らぬ顔でどこかへ行ってしまった。弊社のドライバー達に、車の窓は絶対閉めておかなくては駄目だよ、鍵も絶対かけるんだよ、と常日頃言われているが、初めて盗みの瞬間を目の当たりにして衝撃を受けた。しかしタンザニア人に言わせれば、携帯を盗まれるなんてよくあることだと言う。みんな私が驚いたというのを聞いて笑っている。笑われるとこちらも笑ってしまう。全くこっちの常識はわからないよ、と思いながらもそれを楽しんでしまっている。
いろいろな意味で非常に魅力的なタンザニア。滞在が1年経とうとしている今もやはり、是非より多くの日本人のみなさんに遊びにきていただきたいと思う。みなさま、カリブタンザニア(タンザニアへいらっしゃい)!
(2008年4月15日)
☆Harufu ya Karafuu(クローブの香り)は、とてもいい香りで多くのタンザニア人は好きだとか…。 森田さやかがタンザニアの良い部分、ステキな部分を書いていきます。