白川
Harufu ya Karafuu 第9回 沖縄≒タンザニア?
森田さやか
タンザニアで最も芸術に力を注いでいると言われている町、バガモヨでこの時期に毎年行われている芸術祭がある。今年この芸術祭に国際交流基金で招かれた沖縄舞踊団のみなさんが参加した。私は通訳として、みなさんがタンザニアにいる間をほとんどご一緒させていただくことになった。沖縄舞踊団のみなさんに初めてお会いしたのは10月13日、ダルエスサラームで行われた公演会の日。リハーサルの段階からご一緒させていただいたが、通訳として付いた音響の方以外とはほとんどお話することなく挨拶程度のみだった。その翌日からのバガモヨ2泊3日のうちに、みなさんと仲良くなれたらいいなと思いながら、この日は他のお客様と一緒に踊りながら終わってしまった(通訳の仕事はどうしたのか…)。
さて翌日から芸術祭でのお披露目を含めた2泊3日バガモヨの旅が始まった。いつから私の緊張が、少しずつではあるが解け始めたのだろう。お昼ご飯を食べてからだろうか。同じテーブルについたみなさんが、自然に受け入れてくれたのが嬉しかった。昼食を食べ終わり、バガモヨ芸術大学にある芸術祭の会場へ足を運んだ。本番はその翌日で、下見や大学の先生などへの挨拶もかねていた。
沖縄と言えばきれいな海が思い浮かぶ。バガモヨは沖縄ほど美しい海はないかもしれないが海岸沿いにある町だ。芸術祭の会場も、私たちが宿泊したホテルも、海のすぐそばにあった。バガモヨは浜辺がずーっと長く続いているが、沖縄にはそれほど長い浜辺はないのだとか。とても気持ちの良い風が吹いたりして、「今晩は浜辺で飲むかっ」と冗談でみなさん言っていたのかと思いきや、それは実現してしまった!沖縄には昔から「毛遊び(もーあしび)」という遊びがあるのだそうだ。男女が夜浜辺に集まり、お酒を飲んだり、さんしんを弾いて歌を歌ったり踊りを踊ったりするのだそう。遊び場がなかった昔の合コンのようなものです、とおっしゃる方もいた。この毛遊びの楽しいことといったらなかった。そりゃあさんしん弾いて踊って下さるのは、プロの方々ですから。しかもみなさん本気でやってるからこちらは嬉しく、そして楽しくて仕方がない。月明かりに照らされて舞い踊る姿やさんしんを弾くみなさんの姿は、とてもとても趣き深いものだった。
今よくよくじっくり思い返してみると、沖縄から来て下さったみーんなすごく穏やかだったような…。誰もせかせかしていなかったような…。予定が遅れたりしても誰も気にしていなかったような…。まるでタンザニア人のような…。タンザニア人並みにのんびりしていて、のんびりしたタンザニア人が大好きでここにいる者としては、そんな共通点を勝手に垣間見ることができて非常に嬉しかった。しかしみなさん自らの口から、そんなのんびりしたところが沖縄とタンザニアは似ているかも知れないと聞いたのだ。それをお酒が飲めない私はよく覚えている!これは間違いない!本人たちのお墨付き!沖縄≒タンザニア!
(2008年10月21日)
☆Harufu ya Karafuu(クローブの香り)は、とてもいい香りで多くのタンザニア人は好きだとか…。 森田さやかがタンザニアの良い部分、ステキな部分を書いていきます。