Hodi Hodi No.9 タンザニアの夏CHIBITEの夏
小俣美樹(おまた みき)
今年の夏もオルタナティブツアーを催行し、その際にCHIBITEの演奏を間近で聴くことができた。バガモヨのザウォセ家でのCHIBITEによる民族音楽の公演は毎年恒例のオルタナティブツアーの日程に組み込まれており、本ツアーの目玉となっている。オルタナティブツアーを担当している私にとって、タンザニアの夏=オルタナティブツアーであり、CHIBITEなのである。
今年は公演は8月20日に行われた。観客は、ツアー参加者とダルエスサラーム在住の日本人で、合計30名以上がいただろう。10時過ぎに会場に着いてからは、青空の下、公演会場であるザウォセ家の庭で、今か今かとみんなで開演を待っていた。そして、あいさつの後、演奏者が集まり、演奏が開始された。まずは、ゼゼ(弦楽器)やリンバ(親指ピアノ)、太鼓などのオーケストラから始まる。そして、リンバの幻想的な演奏や、女性による太鼓の演奏“ムヘメ”など、バリエーション豊かな演奏が続く。ムヘメは、なんといってもそのパワーに圧倒される。全身を使ってパフォーマンスをしているため、その迫力は圧巻である。観客の興奮も、ムヘメの時が最も伝わってきたように思える。私も、昨年初めて見た際にはその迫力に驚いてしまった。
<オーケストラの演奏>
CHIBITEの公演で、どの演奏ももちろん大好きだが、私のお気に入りは何といっても子ども達の演奏である。大人の演奏ほどの迫力はまだないものの、自信にあふれた顔つきで、大人のそれとはまた違った演奏を見せてくれる。大人が演奏中にやっていたポーズやパフォーマンスをまねるようにしている姿や、まだ2,3歳くらいの小さな子どもが演奏に合わせて踊っている姿を見ると、「こうやってCHIBITEの音楽は受け継がれていかれるんだなぁ…」とぢみじみと思う。まだまだ幼いけれど、れっきとした「演奏者」達がたくさんいる。彼女達が大人になった時に、どれほどの迫力を持った演奏を見ることができるのか、今から興味は湧いてくるばかりである。
<リンバの演奏>
<子ども達によるムヘメ>
<飛び跳ねて、転がって、楽しそうに演奏やダンスをする子ども達。 後ろに控えている大人達も、優しく見守っている。>
演奏が開始する頃は、観客は私達日本人のみだったが、ふと気が付けば近所に住む人達がたくさん集まっていた。小さな子供からお年寄りまで、そこにいた全員が、演奏者をぐるっと囲むようにして演奏を楽しんでいた。
最後は、演奏者と観客が一緒になってダンスを踊る。演奏者と手を取り合い、笑顔で踊っているその姿を見ると、「音楽で人と人は繋がれるんだな」なんて思ってしまう。公演終了後、一緒に踊った人と写真を取っている観客の姿を見たり、演奏の感想を聞いていると、より一層そんな風に思う。
CHIBITEの演奏を目の前で体感すると、とても強いパワーをもらうことができる。CHIBITEとはゴゴの言葉で「さぁ、行こう」を意味しているが、赤土の大地を揺らすような音楽はまさに「さぁ、行こう!」と観客に呼びかけているようである。魅力たっぷりのCHIBITEの演奏に皆さんも触れてみませんか?
<カッパのひとりごと>
先日ポケモンGOを始めましたが、充電とネットのバンドルが 無くなるのが異常に早いので気が付いたらアプリを削除していました。 ポケモンはタンザニアにも割りといるもんですね。
(2016年9月15日)
*「Hodi Hodi」とは、「おじゃまします」という意味です。 色々なところに足をのばし、タンザニアの様々な面をお伝えしていきたいと思います。