• 白川

Kusikia si kuona No.22  『ザンジバルの新年祭-Mwaka Kogwa』

相澤 俊昭(あいざわ としあき)


明日がラマダン明けの休日となるオフィスで、そのお祭りの話を初めて聞いた。ザンジバル島南部のMakunduchiという村で毎年7月下旬に行われるMwaka Kogwa(ムワカ・コグア)というお祭りがあるそうだ。ペルシアから伝わったゾロアスター教の新年を祝う祭りで、たくさんの男達が集まり、バナナの茎で叩き合うという祭りらしい。大の男が集団となって、本当の格闘のようにお互いを叩き合う、その様子を想像するだけで興味に駆られた。

📷 <お祭り会場の広場> ザンジバルの知人から事前に聞いていた話だと、いつも11時頃からお祭りが始まるとのことだった。場所取りも兼ねて(叩き合いに巻き込まれないように)、少し早めに朝8時にホテルを出発した。Makunduchi村に着いたのが、10時頃。目的の村に着いてみると、大通り沿いに面した、のどかな雰囲気の漂う村で、本当にそのような過激な祭りがこの村でこれから行われるのかという感じだった。通りがかりの青年に聞くと、この道の先にある広場で祭りが行われるらしいとのことだった。言われた通りに道を進むと雑草の生い茂る大きな広場に着いた。ただ、人っ子ひとりいなく、ただそこには大きなヤシの木が数本ポツンとあるだけ。わざわざダルエルサラームから祭りを見にきたのに、期待外れと言うか、ちょっと途方に暮れてしまった感じがした。自分の周りには子供達が集まりだし、どこから来たとも知らない外国人を見ては笑ったり、はにかんだりしている。

📷 <祭りを見に来た村の子ども> そんな状況を木陰に座りながら友人とやり過ごすと、広場の向こうに数人の若い男たちが集まりだしてきた。近くまで行くと、手にバナナの茎の束を持っている。やっぱりお祭りはここで行われるようだ。植物の茎といっても、バナナのそれは思っていたよりも太く、しかも堅い。こんな物で本気で殴り合うなんて、怪我とか大丈夫なんだろうかとちょっと心配になった。

📷 <続々とやってくる村人> そのうち村の方から人々がぞろぞろと集まり出してきたら、突然、数人のグループが大声を上げながら、広場の周りを走り始めた。それにつられるように他の集団も奇声を上げて、広場の周りをぐるぐると走り出す。それまでの雰囲気が一遍に吹き飛び、あっという間に、広場一帯が血気盛んな男達の集団に包囲されたような感じだった。いったい何が始まったんだと、ちょっと呆気に取られてしまった。

📷 <こんなようすで会場の周りを走り出す> そして、集団が一気に広場の真ん中になだれ込んで来たかと思うと、今度は突然、本物の殴り合いが始まった。バナナの茎を持ち、お互いに叩き合っている。『バシッ、バシッ』と鈍い音が聞こえてくる。みんな必死の形相で、冗談なしの本当の叩き合いだ。

📷 <いよいよ始まった叩き合い> 📷 初めは固かったバナナの茎も、ボロボロになりロープのように柔らかくなっている。痛みに耐えかねたのか、ヘルメットを被り出した奴までいる。観客からは悲鳴や喚声の声が上がり、男たちが近づいてくると、叩き合いに巻き込まれまいと夢中で逃げ出す。その度に土埃がが舞い上がる。ものすごいエネルギーのぶつかり合いに興奮して、訳も分からず夢中で写真を撮ってしまった。

📷

(2015年8月15日)

*『Kusikia si kuona』とは日本語で百聞は一見にしかずという意味です。タンザニアで私が実際に見て、感じたことをこのページで紹介していきたいと思います。  

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