白川
Kusikia si kuona No.31 『コンドアの岩絵遺跡群-Kondoa Rock Art Paintings』
相澤 俊昭(あいざわ としあき)
1月中旬にドドマ州にあるコンドア岩絵遺跡群を見に行って来た。コンドアの岩絵は、2006年にユネスコの世界遺産に登録された、タンザニアの中では最も新しい世界遺産である。キルワ・キシワニとソンゴ・ムナラの遺跡群、ザンジバルのストーンタウンに次いで3番目の文化遺産である。一方、自然遺産の方はというとセレンゲティ、ンゴロンゴロ、キリマンジャロ山、セルーなどがある。この辺りの国立公園、保護区は、野生動物の王国で有名だし、アフリカ大陸で一番高い山としてよく知られている。実際に行ったことがなくてもTV番組や雑誌で紹介されているので、一度ぐらいは名前を聞いたことがある人がたくさんいると思う。では、コンドアの岩絵はどうかというと、タンザニアのほぼ中央に位置し、アクセスも不便だし、知名度もまだまだ低い。おそらくほとんど知られていないだろうと思う。今回は、そのコンドアに行って来たので、道中の様子も交えながら紹介してみたいと思う。
早く出発したお陰で、ダルエスサラーム市内の渋滞を回避し、順調に車を走らせる。途中、モロゴロで休憩を挟んで、遅めの朝食兼ランチを食べた。その後、ドドマまで車を走らせるのだが、Kさんの運転の腕がいいのだろう。検問で一度も捕まることなく、ドドマに着くことが出来た。到着したのは確か、14時ぐらいだったと思う。ドドマ一帯はタンザニアの中でも降水量が少ない半乾燥地帯でバオバブなど雨が少ない土地でも育つ植生が目立った。特に今年は雨季に降るはずの雨がほとんど降らなかったので、道路沿いの畑などでは農作物があまり育っていない様子だった。農業で生計を立てている人や家畜を育てている人たちは大丈夫なのだろうかと少し心配になった。実際、今年は農作物が不作で、ダルエスサラームでも野菜やウガリの粉の値段が上がって来ているという。さらに地方の農村では、わざわざ町の市場から野菜を購入しているという話も聞くので、ちょっと深刻な現状が起きているようだ。このような話しを聞くと、ダルエスサラームのような都市はともかく、農作物を育てている地方に恵みの雨が早く降ることを祈ってしまう。
(2017年2月15日)
*『Kusikia si kuona』とは日本語で百聞は一見にしかずという意味です。タンザニアで私が実際に見て、感じたことをこのページで紹介していきたいと思います。