
白川
Kusikia si kuona No.32 セルー動物保護区『Selous Game Reserve』
相澤 俊昭(あいざわ としあき)
今回は個人的にも思い入れのあるタンザニア南部を代表するセルー動物保護区を紹介したいと思う。セルー動物保護区はタンザニア東部に位置し、ルフィジ川流域の広大な地域が保護区に指定されている。面積は50,000㎢程度で、タンザニアの国土の5%程度を占めるといえば、その大きさを分かっていただけるだろうか。サバンナ、林、川、湖など地形の変化に富んでおり、その圧倒的な大自然からは野生の雰囲気がビシバシ伝わってくる。自然環境が豊かで、東アフリカにいる野生動物のほとんどはここで見ることが出来る。私自身、セレンゲティ、ンゴロンゴロなどの北部サーキットを代表する国立公園、保護区に何度か行ったことがあるが、初めてセルーを訪れたときは、その手つかずの大自然と野生動物から伝わってくるピリピリとした緊張感に理由もなく感動したことをよく覚えている。特にルフィジ川の畔から見た夕日はこれまでの人生の中で最高のサンセットだった。セルーはサファリ上級者向けと言われることがあるのが、その通りなのかもしれない。言葉では表現しづらいがセルーは本物のサファリを体験させてくれるところだと個人的には思っている。
セルーのサファリの特徴は、そのアクティビティの種類の豊富さだろうと思う。ゲームドライブはもちろんのこと、ウオーキングサファリ、ナイトサファリ、そして一番の特徴であるルフィジ川沿いと湖で行われるボートサファリがある。それに加え、あまり知られていないがフィッシング(釣り)も出来る。私自身も一度やったことがあるが、結構な大物が釣れ、病みつきになりそうな快感を味わった。セルーのお勧めの時期は8月から10月、そして12月と3月だろうと思う。6月から7月は大雨季明けで、緑も豊かで、草食動物の子どもが多い時事。8月から9月はだんだんと乾季が進み、動物たちが水場に集まって来るので、動物が見やすいサファリに適した時期。リカオンに遭遇しやすいのはこの時期と言われている。そして小雨季が始まる10月上旬までがベストシーズンだと思う。ルフィジ川の土手沿いに水鳥が営巣するのもこの頃だ。
(2017年4月15日)
*『Kusikia si kuona』とは日本語で百聞は一見にしかずという意味です。タンザニアで私が実際に見て、感じたことをこのページで紹介していきたいと思います。