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Kusikia si kuona No.7  キリマンジャロ登山・マチャメルート②

相澤 俊昭(あいざわ としあき)


 前回の続きである「マチャメルート」の紹介です。登山4日目のキャンプ地“バランコキャンプ“から、途中で”カランガキャンプ“を通り、最終アタックのベースキャンプ地”バラフキャンプ“まで辿り着いた以降の話です。

 登山5日目は(というより登山4日目の深夜)は頂上アタックの日です。いよいよキリマンジャロ山の最高地点“ウフルピーク”まで真っ暗闇の中をひたすら登っていきます。この日はバランコキャンプからバラフキャンプまでおよそ7時間ほど歩いていますので、 かなり体力的に消耗しており、ここが一番の踏ん張り所でしょう。上手くいけば、頂上で朝日を眺め、その後、バラフキャンプまで下りてきて、数時間の休憩を挟んで、一気に標高3,100mのムエカキャンプまで下ります。

 深夜1時の出発です。通常は23時か24時頃の出発ですが、私はガイドの提案で遅めの出発にしました。頂上までは6時間ほど、かなり急勾配の登りが続きます。この日は夕方から雨が降り出し、夜になると雪に変わりました。出発前にありったけの服を着て、外に出ると一面、雪で真っ白で綺麗です。これから自分が登るであろう登山道の先を見ると、先に登っている人達のヘッドランプがキラキラと光っていていました。

 少し登り始めると空気の薄さを実感します。頭痛が出たり、吐き気を感じるでしょう。呼吸が苦しくならないように、ゆっくり自分のペースで登ることが大切です。もし辛くなったら、下山をする勇気も必要です。ガイドと体調を確認し合いながら登ると良いでしょう。深夜2時、3時頃になると一番寒さがきつくなってきます。この時間帯は誰もが寒さ、高山病で辛いですが、頼りになるガイド達が元気に歌を歌って励ましてくれます。彼らのこれでもか!というほどの元気さ、明るさに、妙に励まされます。やっぱりキリマンジャロ山は一人では登ることが出来ませんね。

 “ステラポイント”標高5,730mまで着くと、より一層天候が荒れていました。それもそのはずでここはクレーターの縁で強い風が吹き、少し明るくなっても吹雪で近くまでしか見えません。おまけに寒すぎてボトルの水は凍り、カメラさえ動かないこともあります。運よく、頂上に着くころにはすこし晴れてきて、何とか氷河を見ることが出来ました。やっぱり何度見ても、そのスケールの大きさに驚かされます。

 頂上のウフルピークの看板前で記念撮影をして、下山です。登りの時は、真っ暗闇で見えませんでしたが、よくこんなところを登ってきたなと思えるほどの長い長い道です。バラフキャンプまで下りて、休憩を挟み、その後、ムエカキャンプまでおります。ここまで降りてくると空気が濃く大分体が楽になります。食欲も少し湧いてきます。ぼんやりとしていた頭がすっくりして、改めて、頂上を眺めるとよくここまで来たなと実感するでしょう。今夜はムエカキャンプで1泊です。疲れや睡眠不足が重なり、ぐっすり寝れました。

 登山6日目、キリマンジャロ登山の最終日です。今日は最終日、標高3,080mのムエカキャンプから、標高1,630mのムエカゲートまで約4時間の道のりです。朝食後、これまでの登山のサポートをしてくれたガイドとポーターとコックにチップを渡します。多すぎず、少なすぎず、これまでの感謝を込めてしっかりと渡しましょう!そしてチップのお礼にキリマンジャロの歌とダンスをしてくれます。やっぱり彼らの歌は何度聞いてもいいです。

 鬱蒼とした熱帯雨林の中を高山植物を見ながら歩き、ムエカゲートに着きます。ここでキリマンジャロ登山証明書を貰います。その後、モシの町まで車で移動して、待っているのは6日ぶりのシャワーと冷たいビールです。何度登ってもキリマンジャロ登山はいい経験です。次はどのルートで登ろうかなと、早くも考えている自分がいました。

(2013年1月15日)

*;『Kusikia si kuona』とは日本語で百聞は一見にしかずという意味です。タンザニアで私が実際に見て、感じたことをこのページで紹介していきたいと思います。  

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