白川
Pole Pole No.14 リサイクルした瓶からできるすてきなビーズとグラス
後藤由紀子(ごとう ゆきこ)
見ているだけで気分が楽しくなるグラスを見つけたのは2年ほど前、「Shanga Shop」というお店でのことだった。スーパーで2、3ドル程度からグラスが買えることを考えるとShangaで売っているグラスは物にもよるが7、8ドルからなので少し高い。しかしひとつひとつが手作りの吹きガラスのグラスは温もりがあって、少しずつ違いがあるので選ぶのも楽しい。同じ種類のグラスでも少し色の濃さが違ったり、淵や丸みが少し違っていたりと個性がある。だから同じ種類のグラスを2つ買うとしてもまずお気に入りのものをひとつ決めて、もうひとつはお店にある残りのグラスと並べてぴったりのペアを探し出すという時間が生まれる。これはちょっと違うな、これは良いかな、と時間をかけて自分のお気に入りを見つける瞬間が私は好きだ。この瞬間があるからよりグラスに愛着が生まれる気がする。
何度かお店に通ううちにグラスやお店にあるガラスビーズ、グラス製品は全てリサイクルの瓶を使って作っていること、Shangaのワークショップでは聴覚や身体に障がいのある人たちを雇用し、多くの製品は彼らの手でも作られていること、ワークショップはアルーシャにあることを知った。行きたいと思いつつなかなか訪れる機会がなかったそのワークショップを最近やっと訪れることができた。
ワークショップはアルーシャ空港近くのコーヒー農園の隣の緑に囲まれた場所にある。敷地内に入るとすぐにワークショップが見え、足元には色とりどりのガラスの欠片が石と一緒に敷き詰められている。少し中に入るとピンク色のシャツを来た男性が「ようこそ」と迎えてくれた。彼の名はポール。以前はサファリガイドとして働いてたが現在はShangaのワークショップ内の案内人としてワークショップを訪れるお客さんを案内しているそうだ。
彼にShangaのグラスが好きでワークショップを訪れたことを伝えるとより歓迎してくれた。そのグラスが作られるところを見たいと伝えたが私が到着したのがお昼時でグラスを作っている人たちはお昼に出てしまっているとのことだった。しばらくは戻って来ないようなのでとりあえずその工房だけ見せてもらう。
ここで使われる瓶はホテルやレストランから出たものを使っているとのことだった。棚には作られたグラスが並んでいたがまだ作業中と思われる台にはビール瓶から作られた象のガラスの置物があった。その先の場所に進んで行くと機織をしている男性がいた。彼はダルエスサラームの学校で機織の勉強をし、その後Shangaで技術を教えたり、自ら製品を作ったりしているとのことだった。さらにその奥ではティンガティンガの絵を描いている男性がいた。彼は足が不自由なため寝そべりながら絵を描いていた。他にもミシンでネックレスのビーズを通す布を縫っている女性たちなど手工芸品を作っている人たちがいた。
最後にガラスのビーズができるまでを見せてもらった。まず瓶を粉砕して粉状にする。そしてそれを型に入れて釜の中にいれしばらくすると粉が溶けそれが冷えて固まるとビーズができるそう。こんな風にひとつひとつのビーズが人の手で作られているとは思っていなかったのでビーズが作られる過程を知って感動した。
ワークショップの先に商品を売っているお店と緑が気持ち良い広い敷地がありそこで昼食(要予約)やコーヒーを飲むことができる。店内にはたくさんのグラスがあり、これもいいな~あれもいいな~とほしくなってしまう商品がたくさん!サファリの帰り道にここShangaによってワークショップを訪れてランチ、そしてお買い物というのもいいかもしれない。
シャンガ・リバー・ハウス Shanga River House アルーシャ空港近く。Burka Coffee Estate隣 Tel: 0789-759067 営業時間:09:30~16:30 ダルエスサラームでは、ムササニ地区のSlipway にあるGreen Roomで手に入る。
(2014年6月15日)
*「PolePole」とはスワヒリ語で「ゆっくり」と言う意味です。タンザニアのゆったりした雰囲気をこのページで伝えられたらと思います。