白川
Pole Pole No.6 1泊2日のお手軽サファリーミクミ国立公園
後藤由紀子(ごとう ゆきこ)
ダルエスサラームから西へ300Km程の場所にミクミ国立公園がある。その道のりは約4~5時間。少し長く感じるかもしれないが、郊外の住宅、店、マーケット、青空とサイザル畑等、移り変わる景色を見ていると意外とあっという間にミクミ国立公園に到着する。
公園のゲート目指し走っているとキリンが遠くに見える。いよいよサファリに来たのだな、という実感が湧いてくる。ゲートに到着し、併設されている建物で入園の手続きをする。手続きを終えて公園内へ。
日中は暑く動物も活動しないので涼しくなった夕方サファリに出発をしようということになり、まずは今回の宿泊先であるMikumi Wildlife Campにチェックインする。食事をする場所には動物用の水場が作られており、私たちが席についたときはバッファローが水の中でのんびりしているところだった。しばらくするとゾウの親子が遠くからノシノシと歩いてやってくる。その姿に気がついたバッファローは慌てて水から出る。象の親子だけの水場となり、親子は水を飲んだり、気持ち良さそうに水浴びを始めた。しばらくすると遠くからシマウマの群れが水場を目指してやってくるのが見えた。今回訪れたのは乾季。動物達は水を求めてこの水場にやってくるようだ。
水場にやってくる動物を見ながら食事をしているとあっという間にサファリに出発する時間となっていた。サファリカーに乗り込んで出発!最初に見ることができたのはインパラ、その後はゾウの群れを見ることができた。その後は車を走らせてもなかなか動物には巡り会うことができず、バオバブの木を見たり、景色を楽しんでいると、しばらくしてキリンを1頭見る事ができた。動物を探して車で走っているとサファリカーが数台止まり、皆遠くを眺めている場所があった。どうやら木の下にライオンがいるらしい。私たちのドライバーガイドのケネスさんは肉眼でその姿を確認できたようで、私たちに動物のいる場所を教えてくれるが、私たちは双眼鏡を使っても上手く見つけられない。20〜30分程その場で待っていたが、ライオンに動きはなくだんだんと日暮れも近づいて来たのでこの日はライオンを諦め、ロッジに戻った。
翌朝は朝7時前にサファリに出発する。朝は涼しく空気がひんやりとしている。車を走らせてしばらくするとケネスさんが、「これはライオンの足跡だよ」と教えてくれる。今日はライオンが見られるかも!と一気に期待が高まる。しばらく走った後、車を止め、ケネスさんが「あの茂みにライオンがいるよ」と教えてくれる。少し離れているのと茂みにいるのであまり姿はよく見えないがライオンが2頭寄り添っているのが見えた。その2頭の近くにはもう1頭雌ライオン、さらにその奥の遠くの木の下に雄ライオンが1頭いるのがわかった。この2組はそれぞれカップルでハネムーン中らしい。4頭ともゴロンと寝そべっているだけで全く動く気配はなかったが、「20分くらい待てば動くはず」とケネスさん。その言葉通り、しばらくすると雌ライオンがムクっと起き上がり私たちがいる車の方向に歩き始め、車の横を通り過ぎて木の下に腰を下ろした。
先ほどまでは遠くにいて肉眼で確認するのが難しかったライオンが近くに来て大興奮。それだけでも満足だったが、遠くの木の下にいた雄ライオンも起き上がり雌ライオンを追って歩き始めた。なぜか腰を下ろした場所は雌ライオンから離れた場所だったがカップルのツーショットを見る事ができた。ライオンを見て大満足な私たちはで早朝ドライブを終えて、ロッジ戻る。その後はゆっくりと朝食。10時頃ロッジをチェックアウトし、ダルエスサラームへ。帰りの5時間はほとんど寝ていて気がつけばダルエスサラームに戻って来ていた。
訪れる前はどれだけ動物が見られるのだろう?と少し不安もあったが、最後はライオンも見られて大満足だった。片道約4~5時間と少し時間はかかるが、ダルエスサラームにいて週末に気分転換をしたい時やちょっとサファリに行きたいなと言う時に手軽に行ける場所としてお勧めしたい。
(2013年2月15日)
*「PolePole」とはスワヒリ語で「ゆっくり」と言う意味です。タンザニアのゆったりした雰囲気をこのページで伝えられたらと思います。