Shwari No.14 もうひとつのザンジバル、ペンバ島 ~Pemba Island~
更新日:2019年5月3日
石原裕介(いしはら ゆうすけ)
ザンジバルと言えば、「世界的に有名なマリンリゾートの地で、世界遺産のストーンタウンがある。また、アラブ系の住民が多く、大陸側タンガニーカとは一味違った町並みや雰囲気を持つムスリムの国」そんな印象を持つ人が多いのではないだろうか。
そもそもザンジバルとは、ストーンタウンのあるウングジャ島とその北に位置するペンバ島を合わせた総称だ。特にウングジャ島は観光開発が進んでいて、外国人に人気の観光スポットとなっている。しかし、その反面、町中でアルコールを出す飲食店も多く、クラブでは深夜に大音量で音楽がかかり、にぎやかな一面もある。またビーチでのんびりしていると、怪しげなビーチボーイが近寄ってくるなんてこともある。ウングジャ島を訪れて、ムスリムの島でありながら、少しすれた様子に残念と思う人もいるのではないだろうか。
< そう思ったら、ぜひお勧めしたいのがペンバ島だ。同じザンジバルでありながら、雰囲気はまるっきり違う。どこか田舎臭さの残る、静かでのんびりとした、のどかな島なのだ。今回は、石原のお勧めペンパスポットをいくつか紹介しよう。車をチャーターすれば、1日で周れるはずだ。
<チャケチャケ> ペンバの中心となる町で、空港の近くなので、ペンバ旅行はここからスタートといっていいだろう。町自体は決して大きくはなく、通りでは自転車に載せた魚を行商人が売っていたり、島国ならではののんびりした雰囲気が味わえる。レストランも数軒ある程度で、もちろんアルコールは置いていない。旅行会社のオフィスもあるので、ここで情報を集めるのも良いだろう。メインの通りから一本道をそれると、トタン屋根の家が並び、庶民の生活をうかがえる。
<北部 ~ンゲジ森林保護区、灯台、ヴーマウィンビビーチ~>
チャケチャケから、車で一気に北部へ向かおう。まずは、ンゲジ森林保護区へ。森林保護区というだけあって、とても広く、まさにジャングルといった感じ。ウォーキングのコースもあるので、ぜひ森林浴をして、マイナスイオンを感じて欲しい。
ンゲジ森林保護区をさらに北上すると、ペンバ島の最北端に灯台が一つ、ひっそりと佇んでいる。現在も利用されているものだが、料金を払えば上まで登ることができる。先端は地上40mの高さにまでなり、下を見ると少々怖いが、ここからの景色はなかなかのもの。遠くケニヤのモンバサまでも見ることができるという。
そしてヴーマウィンビビーチへ。ペンバ人お気に入りのビーチとのことだ。その割には人が少ないので、のんびりとした時間が過ごせた。海に小さな漁船が浮かぶ。海はもちろん透き通るような青色をしていて、海水浴をするにはちょうど良さそうだ。
<ムカマンドゥメ遺跡(プジニ) >
15世紀に建てられたという遺跡が残る。スルタンの妻達がお互いの顔を見ないで水汲みができるように、間を壁で隔てられていたという井戸がある。この他にも、水路までつながる城壁へ登るための石段や、ポルトガル人が攻めてきた時に身を隠したとされる地下室や礼拝室の跡があるという。
この他にも、ペンバ島にはダイビングスポットや遺跡など、見るべきところがたくさんある。また、ホテルに関しても、安宿から高級リゾートまであるので、予算に応じた滞在が可能だ。今年の夏休みはぜひペンバ島へ!!
(2011年5月15日)
*「Shwari」 私の大好きなこの言葉は、スワヒリ語で「平穏」を意味し、タンザニアでは挨拶でも用いられるほど頻繁に使われます。このコーナーでは、そんな穏やかでのんびりしたタンザニアの様子を、みなさんにお届けしていきたいと思います