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  • 執筆者の写真白川

Shwari No.14 タンザニア一の絶景-Lushoto-

更新日:2019年5月3日

石原裕介(いしはら ゆうすけ)

ダルエスサラームから北へ380km、ウサンバラ山地の中腹にある町、ルショト。1500mを超える冷涼な気候のため、高原野菜の生産地としても名高く、またダルエスサラームから直行バスで6時間程度なので、年中常夏のダルエスサラームからの避暑には最適の場所だ。 週末を使って、1泊2日でも十分楽しめる。

そんなルショトに、私がタンザニア一だと思える絶景、Irente View Pointがある。ウサンバラ山塊の切り立った崖に立ち、マサイステップを見下ろすのだが、目の前には今までに見たこともない景色が広がる。断崖絶壁に柵やロープはなく、足を踏み外せば真っ逆さまに崖から落ちることになるので、正直少し怖いくらいだ。でも、そんなところで近所の人々が足を放り出して腰掛けていたりするから面白い。もし時間があるなら、一度と言わず時間を変えて何度か訪れてみよう。すっきり晴れて遠くまで見渡せる時もあれば、眼下を雲がふわふわと流れている時もある。

だが、ルショトの良いところはIrente View Pointのみにあらず。ここへ来たら、是非カルチュラルツーリズムのプログラムに参加してほしい。いくつかの団体でツアーが主催されているはずだ。私が参加したのは、Tanga Youth Development Association (TAYODEA)という団体の主催するツアーだった。数時間かけて、ルショトや周辺の農家、森林保護区などをハイキングで周る。自然の中を歩き、途中に農家があれば立ち寄ってみたり、市場があれば買い物をしてみたり、ルショトならではの穏やかな雰囲気のプログラムが組まれていた。そもそも、このツアーは単なるハイキングを目的としたものではない。自分たちの周りにある自然や文化、生活を観光客に見せることで旅行者を呼び、ガイドとしての若者の雇用を促進し、また売り上げをコミュニティーに還元するというのが目的だ。この団体でも、近くの小学校や障がい者施設への支援を行っているとのことだった。

確かに、ガイドやツアーのレベルはそこまで高いとは言えないところがあるかもしれない。「休もう」とこちらから言わなければ、ひたすら歩き続けてしまうし、こちらから質問をしなければ、動植物の解説もない。また、ツアー中に農家に寄った際、彼らの生活のために、そこで作られるジュースを買うようにと頼まれたこともあった。旅行者の体力を考えなければ、ツアー自体成立しないし、動植物や自分たちの文化・生活を自ら解説することにガイドの意義がある。また、農家への還元という意味であれば、旅行者から現金を求めるのではなく、ツアーの代金に含まれるべきであろう。そういう点から、まだまだ改善する点はあると思うし、同時に、今後がとても楽しみな取り組みだ。

最後にもう一つ、ルショトに来たら、手作りのチーズやジャム、ジュースなどをお土産にするとのがお勧めだ。自分の牧場でショップを開いている人がいるので、現地に行ったら探してみるといい。私が行ったのはIrente Farm Shop。こじんまりしているが、お洒落で綺麗な店内には、手作りのジュースとチーズが並んでいた。どちらもとてもおいしかったので、お土産にすれば喜ばれるだろう。

(2011年3月15日)

*「Shwari」  私の大好きなこの言葉は、スワヒリ語で「平穏」を意味し、タンザニアでは挨拶でも用いられるほど頻繁に使われます。このコーナーでは、そんな穏やかでのんびりしたタンザニアの様子を、みなさんにお届けしていきたいと思います

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