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  • 執筆者の写真白川

Shwari No.4 Selous Game Reserve -セルー動物保護区-

石原裕介(いしはら ゆうすけ)

  ―タンザニア(アフリカ)最大の動物保護区。47ブロックに分かれ、一般の観光地域はその4ブロックに過ぎず、残りの43ブロックでは狩猟が許可されていて、その収入が広大な保護区を支えている。野生動物は人間に慣れておらず、逃げ足が速い。(弊社発行のガイドブック、カリブタンザニアより抜粋)―

そんなセルー動物保護区は、私がタンザニアに来てからずっと行きたいと思い続けてきた野生動物の生息するサイトの1つです。ダルエスサラームからフライトで約45分という距離にあるので、先日私も週末の土日を利用して1泊2日で行ってきました。

フライトは14人乗りの小型機でしたが、乗客は私たち以外に誰もなく、まさにプライベートのチャーター機。パイロットの助手席に座り、タンザニアの広い大地を眼下に、大興奮のサファリが始まりました。セルーに到着し、待っていたサファリカーに乗車すると、まずはロッジへ向かいます。

ロッジに到着すると早速ウォーキングサファリへ。通常は歩くことを許されていない動物保護区の中を、ガイドと銃を持ったレンジャーに導かれ、歩き出します。彼らはとても知識が豊富で、植物や動物、巣などを見つけては解説をしてくれます。動物を「見る」こと以外にも、地面に残る足跡や糞から動物を識別し、それにまつわるいろいろな話を聞かせてくれました。またある時、レンジャーの合図でみんな一斉にしゃがみこみ、何かと思いきや、目の前を象の群が通り過ぎるという、迫力満点のサファリでもありました。実際に歩くことにより、動物と同じ目線に立つことができ、通常のサファリカーの中では見ることのできない世界を、2時間たっぷり思う存分に感じることができました。

ウォーキングから戻り一休みすると、16時からボートサファリに出発しました。カバやクロコダイルを横目に、ルフィジリバーを遡上していきます。途中、川沿いに巣を作るカラフルな鳥や、水場に飲み水を求めてやってくる動物たちとたくさん会いました。そんな時はボートのエンジンを止めて、水の上に漂いながら、動物たちをそっと見守ります。ウォーキングとは違う、とてものんびりした、リラックスのできるサファリなのです。そして、夕日がオレンジに色づき始めると同時に、私たちもゆっくりと帰路につきます。ルフィジリバーにかかる夕日の美しさは、忘れられません。

翌日は日の出とともにゲームドライブへ。セルーへ着いてから、象やキリン、シマウマにインパラなど、多くの草食動物を見てきたので、やはり車でのサファリのお目当ては肉食動物です。林の中や湖など、色々なところを走り、様々な動物を見ることができましたが、やはりそう簡単に肉食動物にはお目にかかれません。「今日は無理なのかなぁ…」一同そう思っていると、ガイドが道についている足跡に気が付きました。そうです。ライオンの足跡です。一同興奮しつつも、注意して周りを観察しながら、ゲームドライブを続けます。しばらく走り続けると、遠くににインパラの群を発見しました。すかさずガイドが双眼鏡を取り出し反対側を見ます…。するとそこにいたのです、ライオンの群れが。木陰で休むメスのライオンの群れでした。ゆっくりと近づき、しばらく百獣の王の昼寝を見物します。生まれて初めての野生のライオンでした、感動です。この時ばかりはガイドもしてやったり顔。「本当にお前の手柄か?ここにいるって知っていたんじゃないのか??」そんなことを思いつつも、ガイドに感謝し、その場を離れます。ゲームドライブではこの他に、ハンティングドック(リカオン)も見ることができました。

そして、私のサファリも終わりを告げます。レオパード(豹)も運がよければ見られるそうですが、残念ながら時間オーバーです。その他にも見たい動物はいろいろいたけれども、今回はお預けとなってしまいました。でも、いいんです。またセルーに来いということなのでしょう。どこかの物陰に隠れて、こっちを見ながら、レオパードがそう言っていたかもしれません。

(2009年7月15日)

*「Shwari」  私の大好きなこの言葉は、スワヒリ語で「平穏」を意味し、タンザニアでは挨拶でも用いられるほど頻繁に使われます。このコーナーでは、そんな穏やかでのんびりしたタンザニアの様子を、みなさんにお届けしていきたいと思います

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