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  • 執筆者の写真白川

Twende Pamoja No.4 岩の町ムワンザとウケレウェ島

橋本芙美子(はしもと ふみこ)

 昨年末に友人と2人でタンザニア北部にあるムワンザへ行ってきました。ウブンゴのバスターミナルを朝6時半に出発し、ダルエスサラームを出てからずっと続くまっすぐな1本道を進んで行くのは、これからどこか知らない土地へ行くのだという期待を膨らませました。

 ムワンザは涼しく、朝の空気がなんとも心地よいところでした。到着したのが夜中だったのでわかりませんでしたが、朝外に出てみると見たことのない風景が目の前に広がりました。山に大きな岩がたくさんあり、岩の上に家が建っているのです。まるで誰かが積み上げたかのように岩が重なりあい、神秘的な光景が強く印象に残っています。

 町の中心はダルエスサラームの中心街のように歩いて周れるくらいの大きさで、タンザニア第二の町だけあって昼間は大勢の人で活気に満ちていました。交通手段は小型のダラダラと、バイクタクシーが多くありました。私は大学の先輩に会いにいくため、長距離バスの発着地でもあるブズルガまでダラダラに乗りました。ダルエスサラームから遠く離れたムワンザにも先輩がいるのはとても心強く、日本の会社もあり、いろんなところで働いている人がいるもんだなと思いました。ダルエスサラームには多国籍の人が住んでおり旅行者もたくさんいますが、ムワンザは外国人の数は断然少なく、タンザニアの人の町に来た、という感じがしました。普段メールだけでやり取りしている取引先にもお邪魔すると、突然の訪問を喜んでくれました。

ウケレウェの商店街 翌日は14時発の船に乗ってウケレウェ島へ向かいました。ビクトリア湖はとても大きく予想通り濁った湖で、3時間半かけて目的地のウケレウェに到着しました。ホストファミリーのマリアが出迎えに来てくれました。その一家は大学の恩師のホストファミリーですが、長年研究のために通った場所なので、通称JUNKO ROADがあり、日本人なら誰でもJUNKO!と声をかけられると言われていましたが、本当でした。

 ウケレウェ島は船着場のすぐ近くにクラブがあり中心地へは商店街が続いています。船着場近く以外は広い畑と家がちらほらといった感じで、ゆったりしたところでした。その日は荷物を家に置いてから商店街を歩いて終わり。次の日はバイクタクシーに乗って島一周の旅に・・・でるはずが、突然の大雨で建てかけの市場で長い時間雨宿りをすることになりました。吹きつける激しい雨はなかなか止まず、気温も一気に下がりました。寒くて長袖の冬服を羽織っても、居られないほど冷え込みました。私と友人はコンクリートで作られた市場の商品をのせる台の下に潜り込み、寒さをしのぎました。その日島一周はできず、島の端にあるといわれる秘境へ行くことも今回は断念しました。

 緑豊かなこの島のウケレウェの人々の挨拶の仕方は、ちょっと変わっています。半分跪く格好をし、ちょうど日本人がペコっとお辞儀をするような感じで肩を使います。ウケレウェの言葉でワチャマウェやワチャスグと言って性別で使い分けがあるようです。辞書もなく文法が記されていない言葉を調査して書き記す・・・何のためになるのかはわかりませんが、その先生がしている研究はおもしろいのだろうなと思います。

ウケレウェから見るビクトリア湖 帰りはムソマからセレンゲティを通って帰るという、すばらしいコースを教えてもらっていたのに、2日連続バスは満席のためムソマで一泊して帰ることにしました。ムソマはちょっと寂しい漁村でした。物価が安く素泊まりした宿はなんとTsh4,000.そこで出会ったちょっと怪しい同年代のタンザニア人と数人で湖岸へ行き、ソーダを飲みながらしばらく話して晩ご飯も一緒にすることができました。ムソマやムワンザで食べられている茶色いウガリは、ちょっと苦手な味でした。もう会うことはない人たちですが、何か良い仕事が見つかったらいいのにと願わずにはおれません。仕事がない人がたくさんいるタンザニア。Hamna Shida(問題ない)と言っていられない現実があると思います。

 今ウケレウェやムワンザのことを思い出していると、また行きたいという気持ちになります。帰りはムソマから21時間もかけて、お腹が減りすぎて腹痛で悶えたのも忘れて、今度行くときもバスで行きたいです。

(2011年2月15日)

*「Twende Pamoja」  スワヒリ語で、一緒に行きましょう、という意味です。タンザニアのいろんな場所や出来事を紹介することを通して、タンザニアの魅力を一緒に発見していけたら、と思います。

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