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Twende Pamoja No.5 雨季とオフィス街の憩いの場

橋本芙美子(はしもと ふみこ)

 ダルエスサラームは最近朝から曇り空のことが多く、雨季がやってきたことを感じさせます。日本では、朝起きたときに雨だと1日台無しになったような気分になっていましたが、ダルエスサラームに来てから雨の日もいいなと思うようになりました。

 暑い日差しに当たらず過ごしやすいということと、濡れたってへっちゃらのタンザニア人を見ていると、私も少しくらい濡れたって乾かせばいいというような気持ちになるからです。激しく降る日でもずっと降りっぱなしということはないので、外に出たときはどこかで雨宿りをします。

 今日は仕事で外出するついでにぐるっと町を歩きました。空も曇っていて「なかなかの」散策日和です。そんなに大きくないオフィス街なので、だいたいのところは、たいてい徒歩で移動できます。用事のあるオフィスをいくつか周る間には、誰とも話さずに道を歩くことはできません。誰か彼か元気に挨拶をしてきますので、こちらもつられて応答します。

 何か素敵なものが売っていないかと小さな露店を見ながら歩くのも面白く、特に私が好きなのは、CDとカセット売り場です。いつも音楽が流れているので、つい立ち止まってしまいます。手押し車とショーケースが合体しており、気になるカセットは試聴させてくれます。カセット1つ2000シリング(約110円)、CDは1枚8000シリング(約440円)です。今日はいつもの売り場で、以前に私が購入したカセットを買おうかどうか迷っているおじさんがいました。心の中で、やっぱりこの曲はいい曲なんだとうれしくなりました。

バオバブの実 ダルエスサラームの街のあちこちにこのような露店があります。一杯50シリングのコーヒーを飲みながらしばらく聞き入っていました。このコーヒーは歩き売りで、お猪口のような陶器で飲みます。初めてそのコーヒーを飲んだときには、なんてまずいとがっかりましたが、なぜか今では大好きです。

 やかんの底は常に炭で温められ、いつでも熱いコーヒーが飲めるのも魅力です。コーヒー売りのお兄ちゃんは歩き回っているので、飲みたいときになかなか見つからないこともありますが、たいてい木陰か、ちょっと座れる場所にいます。

 お兄ちゃんに聞いたところ、朝の6時から仕事を開始し、夜は7時か8時頃まで歩くそうです。こんなに長い時間歩き回っては、相当な体力がいると思います。1日にやかん3杯分も売ると自負する彼は、今は雇われの身だけれど、ゆくゆくは人を使ってコーヒー売りの商売をしたいと言っていました。

 たまたまこの憩いの場で出会った人とおしゃべりをしながらコーヒーを飲んでいると、別れ際に、払っといたから、といって去っていく人も時々います。こんなタンザニアでの日常が、しょんぼりしているときなどには、大いに私を助けてくれます。仕事帰りに「コーヒーを」一杯やっていく人たちに混じってほっと一息です。

デザートローズの花   大雨季は5月末まで続きます。雨季は農業の季節でもあるので、タンザニアの人にとってはうれしい季節だそうです。JATAオフィスの前にあるバオバブの木もたわわに実をつけています。いつもこの木の下が私の駐車場でしたが、実が落ちると窓ガラスを割るほどの威力だとかで今はとめていません。

 オフィスのあるビルの庭師、ボンフェストがいつも世話をしているデザート・ローズもかわいい花を咲かせています。

(2011年4月15日)

*「Twende Pamoja」  スワヒリ語で、一緒に行きましょう、という意味です。タンザニアのいろんな場所や出来事を紹介することを通して、タンザニアの魅力を一緒に発見していけたら、と思います。

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