
白川
Upepo wa Tanzania 第1回 Bongo
池田智穂(いけだ ちほ)
タンザニアに住み始めて、もうすぐ1ヶ月になる。こちらに来てから聞きなれないスワヒリ語をよく耳にした。「Unaonaje Bongo?」(Bongoはどうだい?)、「Bongo kuzuri?」(Bongoはいい所かい?)「Wewe ni Mboongo」(Bongo人だね。)Bongoという言葉の意味を理解するまでは何と答えてよいものか戸惑った。 BONGO(Ubongo)とは、元々は、「脳」「知能」 という意味のスワヒリ語である。それがいつしかタンザニアの首都ダルエスサラームを意味するようにもなった。なぜかとタンザニア人の知人に尋ねたところ、ダルエスサラームのような都会では様々な物事があり、毎日いろいろと考えて生活しなければならない=Bongo(脳)をフル回転させなければならないということである。 そして人によっては自分がMbongo(ダルエスサラーム人)であることを田舎者と比較してかっこいいと思っているようである。
Heri nitoe roho niepuke na hili balaa ―魂を心から取り除いて、この不安から逃げたほうがいい maisha nichezayo―私のふざけた生活 sasa nimelala na njaa ―今は腹を空かしながら眠る chemsha bongo kabla hujapangwa kabla hujaduwaa―よく考えよう!気が狂ってしまう前に、何も言えなくなる前に 「Chemsha Bongo By Mr.Two」
この歌詞から、皆さんはダルエスサラームをどのような都市だと想像するだろうか。一見とても大変で住みにくい都市のように聞こえるかもしれない。しかし、この歌を歌う彼らの明るく陽気なこと!彼らは、日々の悩みを抱えながらも、それを歌にし、笑い飛ばす明るさも持っている。Bongo FlavaはそういったBongoの人々が作り出す音楽である。 まだ、ダルエスサラームに住み始めて1ヶ月、これからたくさんのWabongoたちに出会うのが楽しみである。
*Upepo wa Tanzania(タンザニアの風)では、あるスワヒリ語をキーワードに、池田智穂がタンザニアの日常について紹介していきます。