• 白川

Upepo wa Tanzania 第8回 Kigogo Home(キゴゴホーム) 

池田智穂(いけだ ちほ)


 ダルエスサラームの街中では、物乞いをする子どもをよく見かける。少し古いが、1991年の調査では、250~300人のストリートチルドレンがいるといわれている。

📷  Kigogo HomeはDogodogo Centreが運営するストリートチルドレンの施設の一つである。(※参照)約30人の小学校に通う子どもたちが、共同生活をしている。年齢も12歳~18歳と多様である。彼らの部屋は2段ベットがいくつか入った部屋で、高学年と低学年に分かれている。これは、セコンダリに入る試験をひかえている小学校7年生への配慮である。

📷 今回、ある日本の大学のスタディーツアーでそのKigogo Homeの子どもたちとディスカッションをする機会があった。そのディスカッションの中で驚いたのは、彼らの勉強に対する意欲である。Kigogo Homeの子どもたちが、それぞれの学校でトップの成績を収めているという。(30人中クラスで1番、2番という子も3名ほどいた)勉強が好きかという質問に対してもほぼ全員好きだと答えた。(子どもたちの相談役がいたからかもしれないが…) 

📷 これには正直びっくりした。今の日本の子どもはわからないが、少なくとも私が小学校の頃は、勉強嫌いの子のほうが多かったように思う。(もちろん勉強嫌いでも、嫌々塾などに通って勉強していた子は沢山いたが)この答えに対して、私たちが、「日本の子どもは勉強嫌いの子のほうが多いのじゃないかな。すごいね。」と感想をいうと、すばやく「なぜだ?」という質問が彼らから出た。正直、私は通訳をしながら、そういえばなぜだろうと思っていた。そしてこちらから、「どうしてだと思いますか?」という質問をした。

📷 彼らから出た答えは、「日本はお金持ちの国だから、勉強しなくても働き口はたくさんある」、「働かなくても貯蓄があるから生活していけるなど。鋭いところをついているなと思った。実際、日本は定職や職種にこだわらなければ、アルバイトなどの働き口はたくさんある。それほど贅沢をしなければ日々の生活に事を欠くことはないように思う。

📷 日本に比べて、タンザニアでは勉強をしないことに対する危機感のようなものが感じられる。セコンダリや大学の数が限られていて上の教育を受けるには試験をパスしなければならない。もちろん私立のセコンダリもあるが、学費は公立に比べて10倍以上するようだ。到底Dogodogo Centreからはまかなえない額だろう。従って、彼らは必然的に公立のセコンダリに受かる為に努力しなければならない。ホームの子どもたちも「将来何になりたいか?」という質問に対して、やはり高等教育が必要な医者やエンジニアという答えが多かった。「ホームで嫌なことは何ですか?」という質問にも、「セコンダリに落ちたら、職業訓練に行かなければならないこと」という意見もあった。

📷 今回は、私たちが来るということで、日曜日にわざわざ子どもたちがその時間にいてくれたようだが、先日の土曜日に何の約束をせずに行ったら、子どもたちは全くいなかった。受験を控えている子どもは自主参加の補習授業に行き、その他の子どもは外に遊びに行っているとのことだった。勉強に励む傍ら、外で元気よく遊ぶ。そんな彼らの日常の姿をかい間見ることができた。

📷 ※Dogodogo Centre Street Children Trust 1992年に創設。ストリートチルドレンの為の以下の施設、サービスを運営している。 ① Drop In Centre  ダルエスサラームのCity Centreに位置する。ストリートチルドレンに食事、洗濯、水浴び、勉強、レクリエーション(音楽、サッカーなど)の場、カウンセンリング、病気ケガの治療などのサービスを提供している。その他50名~70名の小学校に通う子どもたちを収容できる施設も併設している。 ②Kigogo Home  ① にいた子どもたちの中で、生活態度がよくなった子どもたち約30人が共同生活をしながら、小学校に通う施設。 ③ Masaki Home  ①②の子どもたちで、セコンダリあるいは職業訓練に通う子どもたちの施設。 ④ GHP Workshop  大工や金属細工職人になる為の、職業訓練を提供する施設。

📷  (2006年9月)

  *Upepo wa Tanzania(タンザニアの風)では、あるスワヒリ語をキーワードに、池田智穂がタンザニアの日常について紹介していきます。

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